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2018年2月28日

守りたい9条 
平和の願い 署名に託して

文・井口誠二(編集部) 写真・野田雅也

病院内の友の会コーナーにて。また、1筆の署名が加わった

 全日本民医連も呼び掛ける「安倍9条改憲NO! 
 憲法を生かす全国統一署名」。目標の3000万筆を目指し、全国で活動が広がっています。友の会を中心に署名を集めている中通総合病院(秋田市)を訪ねました。

 まだお正月気分が漂う1月5日の朝。中通総合病院の一室に、友の会だより新年号の発送作業に「中通病院友の会」の理事が集まっていました。
 「署名を集めるのは大変じゃないですか?」と聞くと、「今回の署名は手応えが違うよ。書いてくれる人もどこか切迫感を感じるね」と、友の会事務局長の福木幹郎さん。署名は友の会支部会に集まった人や友人に書いてもらっているそう。
 「いよいよ安倍の悪さが知られてきたってことなんじゃないかな。もうゴマカシは効かない」と指摘します。

原動力は友の会の活性化

 「でも、署名が集まったのはそれだけじゃないんだよ」と話すのは、友の会理事の鈴木政隆さん。
 中通総合病院の前身である中通病院の建設に関わった人たちが中心になり、1965年に友の会が発足。当時は平和や社会保障改善の運動に旺盛に取り組んでいたといいますが、近年は「特定の理事数人だけが頑張っている」状況でした。
 「このままじゃいかんな」と鈴木さんが中心となり、30人いる友の会理事全員が役割を持つようにしました。すると、これまで会議にあまり参加したことがなかった理事が顔を見せたり、署名を集めてくれるようになりました。
 「徐々に全員がやる気を出してきた」と、友の会会長の中田博さん。その後、理事を中心に友の会全体が少しずつ活性化。以前はあまり知られていなかった民医連の理念も、次第に浸透していきました。

安倍政権に憲法は変えさせない

 いろいろな活動に積極的になってきた友の会ですが、今回の3000万署名にはこれまで以上の危機感を持って取り組んでいます。今回は友の会で初めて、会長声明を出し署名への協力を訴えました。
 「自衛隊を憲法に書き込んだら、日本が自ら戦争できる国になってしまう。それは絶対にいかん。そもそも99条で擁護義務を負っているはずの総理大臣が、堂々と憲法を変えようとはなにごとか」と中田会長。
 鈴木さんは平気で嘘をつく政府の体質と、戦争政策が基本的人権をないがしろにすることを指摘します。
 「安倍さんはTPPにしろ、原発にしろ、モリカケ問題にしろ、ずっと嘘ばかり。こんな政府に憲法改正なんてさせちゃいけない。そして戦争は人権を最もおろそかにする道。戦争政策が進めば、ますます社会保障は削られる。生活が苦しくなると思考が狭くなるし、生活を守るために“上”から言われたことに、ただ従わなきゃならなくなる。そんな連鎖が起こりますよ」。

これまでの枠を超えた活動を

 友の会の強い意志は職員にも影響を与えます。病院職員で友の会担当の三浦雪子さんらは、支部会やスポーツ大会などのイベントに署名を持参して、集めるようになりました。
 友の会員以外も集まった昨年11月のビニールバレーボール大会でも署名を呼び掛け、30人が協力してくれました。
 「今回は介護署名と同時に集めることで、身近な社会保障と戦争政策が表裏一体のものだと感じてもらっている。私自身も子どもや孫のために平和を残せるよう、できることをやっていきたい」と三浦さん。
 鈴木さんは「従来の枠を超えた運動をどう作れるかが今の課題。そのためにも、政治のことも話せる気心の知れた人を増やしていきたいですね」と話します。

いつでも元気 2018.3 No.317

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