声明・見解

2018年6月6日

【声明2018.06.06】「生活困窮者自立支援法等に関する一括改正法案」の成立に抗議し廃止を求める

2018年6月6日
全日本民主医療機関連合会
会  長  藤末 衛

 6月1日の参議院本会議で、生活保護法の改悪をもりこんだ「生活困窮者自立支援法等に関する一括改正法案」が採択され、自民・公明・国民民主・立憲民主・希望の党・維新などの賛成多数で成立した。全日本民医連は、同法の成立に断固抗議し、廃止を求める。
 
 第一に、今回の一括法成立により、後発医薬品を使用することが生活保護上で原則とされた。生活保護利用者のみに後発医薬品の使用を義務づけることは、生活保護利用者の医療を選択する自己決定権の侵害であり、明確な差別である。
 第二に、生活保護法第63条による「払いすぎた保護費返還」の扱いを「国税徴収の例により徴収することができる」とした。月々の保護費からの「天引き」による徴収を可能としたことも問題である。最近、全国で実施機関の誤りによる過誤払いが頻発し、裁判でも一律に返還させることは生活保護利用者の生活保障や自立を阻害するおそれがあるとの判断から、返還しなくてもよいとの判決が出されている。今回の改悪はこうした判例をも無視し、実施機関による一方的な「天引き」が実施されれば、人権侵害が広がることは明確である。
 そもそも、63条による費用返還は「不正受給」においての返還とは異なり、本人に瑕疵のない返還請求であり、法に盛り込むべきものではない。
 その他「世帯分離」を前提にした進学支援準備金の創設や、必要のない「被保護者健康管理支援」、居住保護の原則を弱める日常生活支援住居施設の創設など、重大である。

 今年10月からは、利用者の実に7割が、最大5%の生活保護費を引き下げられる。日本政府は国連人権理事会の専門家から「ますます多くの人々を貧困に陥れる」と見直しを求められたが、逆に抗議するという愚行を働いた。
 今求められているのは、憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する政治の実現である。全日本民医連は、生活保護制度の充実、権利としての社会保障制度の実現をめざし、引き続き利用者と連帯してたたかうものである。

以 上

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