いつでも元気

2005年10月1日

世界青年のつどいinナガサキ ナガサキから世界に発信したい 核兵器廃絶、平和への熱い思い 医学生のリポート

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10カ国を超える海外の青年も参加

 八月四~九日、原水爆禁止世界大会が開催されるなか、四日に広島で、八日には長崎で「核兵器なくそう・世界青年のつどい」が開かれました。長崎の実行委 員会事務局長の領家由希さんは民医連の奨学生。領家さんのリポートです。

 私はことしの五月に、NPT(核不拡散条約)再検討会議の代表要請団として、ニューヨークを訪れました。 前回(二〇〇〇年)の会議で、アメリカが核兵器を段階的に無くしていくことに合意したことから、今回の会議ではその後の展開に注目が集まっていました。ま た、ことしは被爆六〇年ということで、日本からの要請団は八〇〇人以上にもなりました。
 ニューヨークでは趣向を凝らした自由な雰囲気の外国人のパレードがとても衝撃的でした。さらに署名行動では、直接アメリカ人と触れ合うことができまし た。署名を求めると足早に去っていく人もいましたが、積極的に署名に応じて「がんばって」と声をかけてもらえたときは、とても勇気づけられました。

世界の流れを肌で感じた

 NPT再検討会議では私たちの願いが反映されず、とてもショックだし、残念な結果となりました。しかし私は、核兵器廃絶に向かう動きが世界の流れであり、戦争放棄を掲げる日本国憲法九条の理念が世界で注目を浴びていることを肌で感じました。
 また日本を離れて初めて、私は被爆地である長崎と広島の両都市が持つ、核兵器廃絶に向けた役割の大きさや重要性に気づきました。

 帰国後、長崎に住む者として私にできることは何かを考えていたとき、「核兵器なくそう・世界青年のつどいin ナガサキ」の開催に向けて現地実行委員会が立ち上がり、私は事務局長を務めることになったのです。

広く世界に目を向ければ

 「世界青年のつどい」は、昨年の原水禁世界大会に参加したフランス人の一人が、青年だけの集まりを設けた いと提案したのが発端で、広島と長崎の両方で原水禁世界大会の期間中に青年独自の企画として開催されることになったものです。長崎では一〇カ国を超える海 外の青年を含め、八〇〇人の青年が参加。会場は熱気にあふれた雰囲気となりました。
 被爆者の山口仙二さんが被爆体験証言を語って下さったときは、涙を流して聞き入る参加者もいました。
 海外代表の発言や、一〇人ほどの人のフリー発言でも、大勢の人たちが核兵器廃絶を願い行動していることを知りました。そして、核兵器廃絶の願いは少数派 ではなく、必ず実現できるということに確信を得ることができました。
 目先の事柄や出来事のみに縛られてしまうのではなく、広く世界に目を向ければ、核兵器廃絶の声が人類の大多数の意見なのだということに確信を持つことが できます。このことが、活動を続けていくうえで大切なことではないでしょうか。

大勢の仲間と力を合わせて

 私は、被爆地ナガサキから核兵器廃絶の声を世界に発信していきたいという思いをますます強くしました。大 勢の仲間と力を合わせ、連帯し、草の根から運動を広げていくことで必ず実現できると私は信じています。これからも多くの人たちと一緒に継続して活動を続け ていくつもりです。
 長崎大学医学部三年 領家由希

いつでも元気 2005.10 No.168

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