いつでも元気

2019年1月9日

昔ばなし苦労話自慢話 
「囲炉裏」

医療や介護の現場で使える回想法を紹介。懐かしい写真を通して会話が弾めば班会やサロンが活性化、認知症予防にも。懐かしい写真と回想のヒント、そして会話のコツを紹介します。

写真・中俣正義(1955年撮影、新潟県六日町=現・南魚沼市)

写真・中俣正義(1955年撮影、新潟県六日町=現・南魚沼市)

回想のヒント

 囲炉裏の周囲には呼称があり、座る人も決まっていました。
 ヨコザ(主人)、カカザ(主婦)、キャクザ(客人)、キジリ(娘や使用人)。
 それぞれ、写真のどの位置に当たるのか想像してみてください。

男が集まるどぶろくの話

 島根県の山奥のある町で、男性が集まるサロンを開いた時のこと。最高に盛り上がったのは、「今なら話せる“どぶろく秘話”」だった。サロンでは、「若妻会」がおでんを用意して接待した。
 集まったのはお爺さんばかり26人。元郵便局長さん、元校長先生、元宮司さん、元駐在さん…。昔は村ぐるみでどぶろくを作っていた。
 どぶろくは密造酒なので国税局の摘発があるが、その対策がおもしろかった。呆けたふりをしたお婆さんが国税局の職員を接待してできるだけ時間を稼ぎ、その間に中学生が「牛が放たれた」と大声で村中をふれ回る。村人は急いで瓶を担ぎ山に隠す。なかには転んで瓶が割れ、川に流れてしまうなど大騒動だった。
 仲間で裏山に密かに仕込んだ酒甕を、祭りの当日に開けてみるとほとんど空っぽだったことも。「俺が試飲した」「実はワシも」「すまん、すまん」とみんなで白状したそうだ。
 真冬の町内会で「おまえんとこはどうだ」と聞かれたら、それは「どぶろくの出来」を意味するそう。片目をつぶると「まあまあ」、両目をつぶると「酸っぱい」、飯台を叩いたら「失敗」ということらしい。サロンで男性の出席が低調なのは内容の問題なのです。

いつでも元気 2019.1 No.327

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