民医連新聞

2003年4月5日

二度の生還とげ民医連におくるエール

“民医連体験記”書いた京都の真田是(なおし)さん

立命館大学名誉教授 真田 是(なおし)さん

 『ガンから二度の生還』を真田是さんが著しました。社会保障の研究者で立命館大学名誉教授の真田さんは「ひどい攻撃を受けている民医連に、患者の側からエールを送りたい」と、思いをこめ執筆したとのこと。本紙のインタビューに答え、次のように語りました。

 「いのちは平等」を掲げて、医療の分野で差別をなくそうと努力しているのが民医連ですね。差額ベッドを持たず、「病気になっても患者になれない人をなくそう」を合言葉に、限界のある資本主義社会のなかでも努力をして、一生懸命追求しています。

 民医連については、事実に反したり、真実でない情報が伝わっていることを、私は見過ごせないと思ったので す。ひぼうやデマは「共産党の票めあてに選挙活動をしていて、医療をおろそかにしている」という内容ですが、そんなことはない。真実を大事にする研究者と しても、ないがしろにできないことです。それに、デマはファシズムと大きな関わりがあるものですから、放っておいてはいけないのです。

 人間の尊厳やいのちの平等を脅かす最大のものは戦争です。イラク攻撃が始まりましたが、戦争と社会保障は 相容れません。いま、市場原理や競争原理が風びし、強者や弱者がいて当然のような考え方があります。戦争はその極限です。いのちの中に「尊いいのち」と 「尊くないいのち」があって「尊くない人は死んでもよい」という考え方がそこにあります。戦争をやらせるのは、自分の身に危険が及ばない強者です。弱者が 常に犠牲になります。こうした強者中心の論理からは、社会保障の考え方は出来ません。

 民医連に対する攻撃は、民医連が影響力をもってくる中で出てきた面があります。京都では蜷川民主府政のこ ろから、地域のくらしをよくする仲間として、住民とともに民医連がありました。だから「ここをたたけ」ということでしょう。公明党は政権に入ったことで、 平和や社会保障に敵対する謀略的な正体をさらけ出してきたと思います。

 民医連の「事故や誤り」に対する向き合い方は誠実です。それを揶揄したり、政治的に利用するのはよけい許せないと思いました。私は民医連に、これを乗り越え、「再生」というより「もう一歩大きな飛躍を」してほしい。

 医師や医療従事者が謙虚に、患者と同じ目線でよりそうことはとても大切です。この本は「同じ病気の人に参考にしてもらおう」と思って、プランを立てていしたが、このような情勢で、民医連の職員のみなさんを激励したいと思い、心を込めて書きました。

 (民医連新聞 第1305号 2003年4月5日)

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