日本で働く外国人　～ＳＮＳ相談室から～　（２）逃げてきたベトナム人　文／榑松　佐一

　３月１日（金）２１時１７分。送られてきた動画から怒鳴り声。
　「ジムショはいつ掃除するんだ。バカかあ、こらあ。なにチンタラやってるんじゃねえ。こら、もう。掃除しろよ、こら。おまえら、何を教えてるんだ。このボケえ。おまえらがグウタラだからだ。バカあ」
　まいにちおこった／１年は電話つかいない／ペットショップやったりいろいろなことをやります／休みの日にはどこでもいくところができない／私のせんぱいはあしょびにいってかえるときべとなむにかえりなければからにげる／みんなはとてもかわいしょ／おねがいします
　送られてきた写真は長野県のペットショップのようで、休日に遊びに行ったことで怒られ逃げた実習生もいるようです。
　まいにちはいやくおきてとりにみずとえさをあげてはなにみずをあげていろいろなことをやります／ときときおわっいるときすごいおこった／私はガンマンできないからもにげる／でもわたしのこはいはとてもかわいそ／私はちがいこやってないでもまいにちおこるから／もがまんできない／にげるはだめ／でもがんまんできないから／もしにげないときべとなむかえる
　にほんにくるときいっぱいおかねはらった／音さんはびおきしたりおかあさんはもびおきなったから／にげるもたいへんでもしごとおわったときねることができます／けんしゅせいときねるとかごはんつくるとかいつもやちょのかおみてる／こわい／いままでいつもゆめある
　彼女は機械加工の実習生ですが、朝は社長が経営するペットショップ周辺の掃除と餌やり、１５時から交代で鳥の世話。土日も朝の掃除と、餌やりをしなくてはなりません。社長はしょっちゅう怒り、このままでは帰国させられると逃げてきました。彼女には病気の両親がおり、多額の借金をして日本にきたので帰されるわけにはいきません。
　社長には１歳の娘がいますが、離婚したため実習生たちを自宅に住まわせて料理や掃除をさせていました。動画では掃除がきたないと怒鳴り、「ベトナムに帰れ」と言っています。社長だけでなく、ショップの職員も罵声をあびせていました。（続く）

くれまつ・さいち　愛知県労働組合総連合議長、１９５６年生まれ。著書に『外国人実習生「ＳＮＳ相談室」より―ニッポン最暗黒労働事情』など

（民医連新聞　第1690号　2019年4月15日）