医療・看護

2019年5月21日

診察室から 職員一丸で赤字解消へもう一息

 2008年7月1日に、旭診療所所長からワンクッションおいて高知生協病院院長に就任しました。経営実態、経営戦略、組織管理など何ひとつ知らず、みんなで和気あいあいとできればいいのではないか、という甘ったれた考えで日々を過ごしていました。
 11年3月、中国・四国地協による予算検討会にて資金困難状況を指摘されました。ただその頃はまだ「経営困難て言うけど大げさやき。困ったら銀行で借りたらええがやき」と思っていました。その後医師4人の退職があり、12年2月には、全日本民医連の顧問会計事務所「協働」による経営調査で重度の困難性で資金ショート寸前の状態と判断されました。それでもまだ「あれ、もしかして経営困難? まあ何とかなるき」というぐらいの受け止めでした。
 その後も事態は好転せず12年7月に第1回の経営対策委員会を開催しました。ボンクラな私はここで初めて「やばい」と心底思うようになりました。結局計7回の対策委員会開催、法人中長期経営計画策定と作業援助、介護部門&看護部門改善検討会開催など、全国の民医連および関係者のみなさまには本当にお世話になりました。この場を借りて御礼を申します。
 その後は病院収支構造について管理部で何度も話し合い、病院収益の柱は入院収益だと確信しました。入院収益確保を第一命題として、病院のあらゆる活動は全て入院ベッドの効率的な運用を中心に再構築することとしました。管理部は、経営の現状や方針について何度も各部署に出向いて説明し、職員一丸となり赤字の解消に正面から向き合うようになりました。特に私が担当する医局の医師には朝会で毎日毎日入院よろしくとお願いし、遊具の中をくるくる回るハムスターのように働いてもらい(もちろん私自身もですが)、申し訳なく思っています。
 職員みんなのがんばりのおかげで、当初7億5000万円の累積欠損がありましたが、19年3月末で1億6000万円の累積欠損と、もう一息です。

(小野川高弘、高知生協病院・院長)

(民医連新聞 第1692号 2019年5月20日)

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