民医連新聞

2019年7月2日

綱領なんて素通りしてたけど・・・ 大切な原点見つけた! 綱領学習ブックレット 青年職員が始めた“自主学習会”

 全日本民医連は、第2回評議員会で民医連の綱領と歴史を学ぶ大運動を提起し、『学習ブックレット 民医連の綱領と歴史 なんのために、誰のために』(以下『ブックレット』)を発行しました。全国のユニークなとりくみの報告が相次いでいます。三重では全職場に先駆け、4月から青年職員が自主的な学習会を開始。日々の経験を交流しながら、学習を深めています。(丸山いぶき記者)

 「お疲れさまでーす」「わっ!取材きてる!」。6月12日午後6時、津生協病院近くの民家を改装した三重民医連の建物に、仕事を終えた青年職員が集まってきました。『ブックレット』学習会ですが、まずは、それぞれの職場の話題に花が咲きます。県連ににぎやかな笑い声が広がりました。医事課に異動したばかりの加藤彩女さんは、引き継ぎで顔を出す元職場のみえ医療福祉生協・組合員活動部に「ホッとする」という本音ももらします。
 参加者はほかに、県連医学生対策担当者(医学対)の神保雅也さんと曽我珠佳さん、組合員活動部の大田卓さん、津生協病院3病棟事務の坂田明子さん。いずれも20~30代です。同院医局長の小坂聡哉医師も飛び入り参加し、3回目の学習会が始まりました。

■経験共有で深まる学習

 この日は『ブックレット』第2章の見開き4ページ分を1節ずつ4人が発表し、参加者が感想や意見を出し合いました。「立憲主義と憲法13条」を担当した大田さんは、自民党改憲草案で13条の「個人として尊重」が「人として尊重」に書き換えられていることも紹介。「国の意に沿わない考え方が排除される危険性がある」と話すと、「意図がないなら変える必要ないもんね」との声も。
 「憲法25条と健康権」を担当した坂田さんは、「健康で文化的な」に関連し、終末期の患者にペットを会わせるため、病棟で奮闘したと紹介。「先月亡くなった祖父もうちの病院だったら、最期にお花見に連れて行けたかも」と話します。子どもの貧困にも触れ「努力したくてもできない人もいる。連鎖を断ち切るのは難しい」と、ジレンマを語りました。
 話題はSDH(健康の社会的決定要因)へ。曽我さんが、「職場は違うけど、私たちはそれぞれ健康格差に立ち向かっている。民医連の役割だと感じる」と話すと、小坂さんも「苦しい当事者は声を上げられない。その声を聞いた人が代弁しないとね」と応えます。
 大田さんは、担当地域のアパート火災で、幼い子どもが死亡したことに言及。「ほとんど窓もない部屋。敷金・礼金、保証人がいらなくて、貧困家庭やワケありの人が借りやすい部屋だった」と、身近にあった社会的な負の連鎖に悔しさをにじませました。

■医学対の声かけから出発

 「学習会を引っ張るのは医学対の2人です」と話すのは県連の村上英俊さん。がんばっている青年職員を全国に発信したいと、4月の第1回学習会の様子を通信にして送ってくれました。県連事務局会議での丸島隆弘事務局長の提案をきっかけに、神保さんと曽我さんが仲間に声をかけ始めました。「外回りから帰ってきたら、ご案内が机の上に。予定は空いているし大事なことやし行くか、と参加しました」と大田さん。坂田さんは、「後輩ががんばってるし、多分、行かんと参加者少ないやろな、とも思って」と笑います。

同世代と楽しさ追求しながら綱領学ぶ

 初回の学習会には、薬局法人からを含め5人が参加。交流が盛り上がり学習は最初の見開き1ページだけでした。7月末までに「綱領編」読了をめざし、2回目以降は担当制にしました。「業務に引きつけて話しやすいものから、やります! という声があがります」と曽我珠佳さん。神保雅也さんは、「学習会は、職場で位置づけるものとは違う自主的な集まり。事務の横のつながりをつくりたいね、と話していたので、いい機会になりました」と話します。現場の職員が語る経験を医学部奨学生にも話し「職員も楽しくがんばってるよ」と伝えています。
 「民医連というチームで働いていても、知らないことがたくさんある。綱領もふだんは素通り。学習会を通じて津生協病院はこんな病院、と組合員さんに伝えられる」と加藤彩女さん。参加者は、同世代で行う学習について「完全オフの状態で楽しさを追求できるよね」「やらされてるんじゃなくて、みんなでやってる感じがする」と口々に言います。

■学習会ニュースがいい刺激に

 学習会後はニュースを発行し、院内報に挟み込み、ほかの地域の事業所にも送っています。1回目のニュースは大田卓さんが担当。課長の大家弘樹さんは、「積極的で新しい風を起こせる大田さん。ニュースは職場にもいい影響を与え、いっしょにやっていきたいという彼の思いが伝わっている」と話しました。「一番弱い立場の人の視点で声をあげる民医連が果たす役割は、ますます大きくなる。でも社保運動は正直、苦手です。どうしたら共感してもらえるか、関心を持ってもらえるか考えながら“PR”したい」と大田さん。
 三重での『ブックレット』学習は、職場単位でスタートを切り始めたところもある、という状況。「若い彼らが自主的に集まり、学び交流しニュースで伝え、いい刺激になっている」と県連の丸島隆弘事務局長。「交流や現場のことを学ぶ機会にもなり、ねらい以上のいい影響もある」と話します。
 小坂聡哉医師は、「ピザにつられて初めて参加したけど、身のまわりで起こっていることを自分に引きつけ語っているのがすごい。それを共有し、深めている。応援していきたい」と話しました。

(民医連新聞 第1695号 2019年7月1日)

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ