いつでも元気

2019年7月5日

お金をかけない健康法

 私の健康ライフの一日は、起床後の快便ラジオ体操から始まります。
 体操は私にとってはウオーキングの準備でもあり、ときに快便の助けにもなります。遅く起きた日は歩きながら体操をしたり、夜の時間帯に組み入れたり、いつでもどこでも行えます。
 ラジオ体操の始まりは昭和天皇の即位記念の90余年前からで、戦意高揚と戦争政策にも利用され、GHQ統治下では一時放送禁止に。1951年に現在のラジオ体操第一が導入されて、以降は誰でもどこでも取り組める国民的な健康運動になりました。
 『実はスゴイ! 大人のラジオ体操』 (中村格子著、講談社)によると、ラジオ体操は計算し尽くされた究極の運動で、効率よい全身運動とカロリー消費、ケガをしない安全性などが魅力と紹介。「肩こり・腰痛改善、眠りの質向上、代謝改善、脂肪が燃える」に加えて、「美脚・小尻になる、バストアップする、姿勢がよくなる」などの効果があげられてています(いいことずくめ!!)。
 ラジオ体操の効果を高めるための3つの注意点(ポイントの確認、使う筋肉を意識する、テキパキと元気よく)も指摘されています。ラジオから流れてくるアナウンスに従って、集中して行うことが大切だと思います。
 一方で、批判的な意見もあります。ある整形外科医が『ラジオ体操は65歳以上には向かない』(戸田佳孝著、太田出版)を出版(ムム否定的!)。ラジオ体操では脚の筋肉を鍛えないので、変形性膝関節症などがある高齢者には「膝や腰を痛めるリスクがある」との指摘です。同時に「血圧を下げ、血行を良くし、精神的健康を増進」などは評価しており、必要なのは「ラジオ体操プラス筋トレ」との提言と受け止めました。
 私の経験から言っても、間違いなく血圧を下げる効果があります。ラジオ体操をする前後で、上が平均13・8mmHg、下が平均6・3mmHgも下がるのです。高血圧予備軍の私にとっては、嬉しい効果です。ウオーキングをするとさらに下がりますが、それについてはまた後日ご披露します。


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2019.7 No.333

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