MIN-IRENトピックス

2019年8月9日

お金をかけない健康法

 7月号で紹介した「ラジオ体操批判論」は、ラジオ体操が脚の筋トレとしては不十分だとの意見です。こうした点を補うためには、脚の運動・筋トレが重要だとの指摘でもあります。
 脚の運動として階段の上り下りを続けたのは日野原重明先生です(6月号参照)。エスカレーターなどを利用せずになるべく階段を歩くようにすれば、足腰が鍛えられると強調されました。蟹江ぎんさんも、階段を上って2階の仏間にお参りするのを、毎朝の日課として一生涯続けました(5月号参照)。
 階段ダイエットの情報はインターネットで入手できます。階段昇降に関する学術研究もあります。「こま切れでも階段昇降を繰り返し、1日合計の活動量を増やせば有効」との結論です。目安として、20段の階段を1日に合計9回上り下りすれば、筋力がアップするのです。
 最近、最寄り駅で「階段を上る=スクワット」のポスターを見かけます。「1段でマイナス0・1キロカロリー、10段でマイナス1キロカロリー」との表示もあります。大いに階段を利用しましょう。
 脚の筋トレ情報は多々あります。膝関節症の方にもお勧めなのが、足先内向きコーナースクワットです(下図右)。部屋の壁の隅でつま先を内側に向け、背中を壁に沿わせながらゆっくりと膝を曲げて停止し、5秒数えます。1セット5回で1日3セット、慣れてきたら1日5セット行うと良いでしょう。
 下図①~③のように、いすに座ってできる3つの運動もお勧めです。
①片足上げ―片足をいすの高さまでゆっくりと持ち上げ、約5秒間停止。その後ゆっくりと下ろします。片足ずつ5~10回反復します。
②足首の屈曲・伸展―両足をいすの高さまでゆっくりと持ち上げ、足の指先を手前に最大まで曲げて5秒ほど停止。その後、外側にしっかり伸ばします。5~10回反復します。
③膝の持ち上げ―両膝をゆっくりと持ち上げ、約5秒間停止。その後、ゆっくり下ろします。5~10回反復します(きつい時には片足ずつでも構いません)。
 日常生活の中で習慣づけて、脚の運動・筋トレを毎日続けましょう。


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2019.8 No.334

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