介護・福祉

2019年9月17日

診察室から 健康教育で平和な未来を

 先日名古屋で、保育合研(全国保育団体合同研究集会)が行われ全国から保育に奮闘するたくさんの仲間が集まり、日頃の活動を報告し合いました。私は「子どもの健康・安全・保健活動」の分科会で世話人を担当しました。保育合研はかなり昔、静岡で同様の分科会に参加して以来。分科会にはたくさんの看護師の参加があり、以前、民医連の事業所で働いていた人もいて、知り合いの小児科医の名前も挙がっていました。
 保育園の中での看護師の役割は、子どもの安全や健康を守るのは当然ですが、人手の足りない時は保育に入ったり、場合によっては給食室の手伝いをしたりとさまざまで、大変な様子が報告されました。その中で、原因不明の病気のため、突然意識消失発作を起こす子どもの保育の対応に苦心した報告、保育園の中で姿勢を正すため雑巾がけを取り入れ、健康教育にとりくんだ報告などがありました。北病院では、近くの保育園をはじめ、多くの保育園の園医をしています。園での健康教育などにはあまりとりくんでいませんが、確かに保育園の年齢から自分の身体について考える機会が持てるのは良いことだと感じました。
 以前、生協活動の一環として子ども向けの健康チャレンジを企画しました。食事をきちんととることや、歯磨きをちゃんとすることなど、2カ月とりくんだら歯ブラシをプレゼント。保育園といっしょにとりくめないか検討したこともあります。子ども食堂など子どもの健康や格差に対するとりくみが広がっています。こうした活動をすすめるためにも、保育園の看護師との交流は、もっと行う必要があります。地域における多職種協働のとりくみですね。
 健康教育の経験交流の中で、「保育園での健康教育は戦争や平和について考えるきっかけとなる」と訴える看護師の姿にハッとさせられました。子どもたちに平和な未来をつくっていくのは私たちの責任です。暑い名古屋にたくさんの人が集まり、保育について考えたひと夏の経験です。

(近藤知己、愛知・北病院・院長)

(民医連新聞 第1700号 2019年9月16日)

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