民医連新聞

2003年6月16日

共同組織のささえあい(2)

東京ひとりぐらしの高齢者の会 たんぽぽ/高齢化するマンモス団地で

 東京・みさと団地診療所友の会の「たんぽぽの会」は高齢化がすすんだマンモス団地の中で友の会会員同士の安否確認にはじまり、暮らしや困りごとを助け合っています。同診療所の高野雄子師長の寄稿です。

*  *

 結成当時、みさと団地の中で、ひとり暮らし高齢者の孤独死があいついで起こりました。死後一カ月して発見された人もいます。マンモス団地なこと、入居者 の高齢者がすすんだこと、地方から年老いた親を呼び寄せる家庭が増えるなど、団地内の高齢化がすすんできていました。
 「これではだめだ、なんとかしないと」と、診療所が予防策をよびかけ、「たんぽぽの会」がつくられることになりました。

*  *

 同会は会長はじめ、世話役が自主運営しています。友の会支部にあるボランティアグループの協力も受けています。年会費五〇〇円・対象になるのは高齢者世 帯と、日中独居の高齢者。ささえられる側の会員は四月現在で五四人、ささえる側は一〇人前後です。
 居住区ごとに班をつくり、安否確認は、その班長さんが中心に、電話連絡や訪問で様子を見ています。心配事や異変があれば、診療所にも連絡が入ります。介 護保険がはじまったいまは、ヘルパーさんから連絡が入ることもあります。

*  *

 最初は小さな会でしたが、月に一度の食事会を始めてから、会員数は増えました。食費五〇〇円・必要のある方には送迎つき。毎月三〇~四〇人が参加してボ ランティア手作りの食事を楽しみつつ、暮らしの生活相談(市や団地の制度や情報など)、医療や介護の情報、会員さんの経験を聴くなどの学習も行います。
 暮らしや困りごとの助け合いは、実に様ざまな内容です。「テレビがつかない」、「不要な家具を一階に降ろしたい」、「変な人がブザーを押して困る」とい う相談から、「バリアフリーの高齢者住宅に移りたいが、どうしたらいいか」や、生活苦の問題までが寄せられてくるのです。病院への付き添いなどはボラン ティアにお願いし、生活苦の相談は、世話役の中継で市の担当者と連絡をとるなど、必要な対応を行います。「最近は、『もし、私の身になにかあれば、ここに 連絡を』と連絡先まで託す方もいます」と、同会の会長さん。
 たんぽぽの会は、地域の中で、顔見知りを増やし「元気?」と声をかけてくれる存在になっています。

(民医連新聞 第1310号 2003年6月16日)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ