民医連新聞

2019年10月8日

日本で働く外国人 ~SNS相談室から~ (13)外国人と社会保障 文・写真/榑松 佐一

 90日以上の滞在資格を持って入国する外国人は、市町村の窓口で在留カードを申請します。住民登録のようなものです。これにより各種社会保険への加入義務が発生します。日本人と同じです。
 技能実習生の場合は入国時の計画書で雇用契約書の提出が求められ、そこに社会保険への加入が必ず書かれています。しかし、縫製など自営業者や農業、建設などの国保、国民年金の受け入れ先では加入していないこともあります。
 夫婦だけでやっている自営業でも実習生が5人以上いれば「協会けんぽ」への加入義務があります。しかし、実習生が制度を知らないことをいいことに「国保」にしている場合もあります。
 昨年、愛知県の縫製実習生が自宅で調理中に手を切りましたが、社会保険に入っていなかったため、急きょ愛知民医連の尾張健友会を受診することもありました。この件に関しては監理団体が対応し、とりあえず本人の全額負担は免れました。

■労安法違反も多発

 労災保険や雇用保険、労働安全衛生法の適用も日本人と同じです。しかし、実習生を受け入れているところは中小零細企業が多く、これらの制度を知らない経営者も少なくありません。各労働局の調査で労働安全衛生法違反が多いのは、外国人受け入れの有無にかかわらず中小企業に共通しています。
 受け入れ企業の中には労災隠しをするところや、超長時間労働をさせるところも少なくありません。しかし、日本語がわからなかったり、日本の法律を知らない、教えてもらえない外国人は制度を利用することができません。
 技能実習機構のホームページには9カ国語で制度の詳しい説明が記載してあります。ネットで「OTIT」と入力すれば実習生向けの「基本情報」が出てきます。私は実習生から相談があると、ここから必要なところをコピーして見せています。(続く)


くれまつ・さいち 愛知県労働組合総連合議長、1956年生まれ。著書に『外国人実習生「SNS相談室」より―ニッポン最暗黒労働事情』など

(民医連新聞 第1701号 2019年10月7日)

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