声明・見解

2005年4月15日

【声明2005.04.15】憲法改悪に道を開く「国民投票法案」に反対する

憲法改悪に道を開く「国民投票法案」に反対する

 2005年4月15日
 全日本民医連理事会

 自民・公明・民主の各党は、『憲法「改正」国民投票法案』と、同法案の審査及び起草権限を衆参両院の憲法調査会に付与する『国会法改正案』を、今開かれている通常国会に提出するための準備を進めています。
 全日本民医連は、憲法改悪に道を開くこれらの法案に、国会提出を含め強い反対の意思を表明するものです。
 憲法96条は、憲法改定の要件として、国会で総議員の三分の二以上の賛成で発議することと、国民の直接投票で過半数の支持を得ることの二つの要件を定め ています。
国民投票法はその有権者の範囲、運動のあり方、投票用紙の形式などを定めるものです。しかし憲法制定以来約60年、主権者である国民にとって、憲法改正そ のものの必要性がなかったこともあり、国民的テーマとして課題になってきませんでした。
 今、唐突に出されようとしているのは「憲法9条」を改悪し、アメリカの戦争に参加することを前提にし、国民の権利に制限を加えるというものです。国民に とって必要なことは、むしろ「憲法を暮らしに生かす」ことであり、全ての分野でしっかり根づかせることです。
 軍事費と大企業への不当な利益を優先する異常な税金の無駄遣い、アメリカ一辺倒の国際的にも異常な外交政策、悪政を推進する勢力と国民との矛盾は一層深 刻さを増しています。国民の切実な願いは、憲法に保障された権利の行使として、国政の民主的転換を求める運動へと大きく発展する可能性を強めています。
 悪政推進勢力が、国民の怒りを力で抑え、切実な願いを踏みにじり、むしろ憲法「改正」勢力として開き直り、『戦争の出来る国づくり』へ、日本の進路を大 きく転換させようとする狙いがあることは明らかです。
 しかも、国民投票法案の「骨子」は、個別の条項ごとに賛否を問うのか、一括して投票するのかも不明確であることに示されるように、国民のなかに様々な見 解のあることに乗じて「9条改悪」を確実にやりとげるための手だてとして使われようとしています。
 「大砲かバターか」、戦争をする国づくりは、国民の暮らしや社会保障・社会福祉の諸制度を破壊する政治の横行と表裏一体です。
 私たち民医連は、あのいまわしい戦争の荒廃の中から、医療に恵まれない人々と医療従事者が手をたずさえて生まれた医療機関と福祉の事業所の連合体です。
地域の人々の声を大切にし、切実に求められる医療の実践と、人権を守るために社会保障充実の運動をすすめ、災害救援・労働災害、公害や環境などの社会問題 にも力を入れてきました。憲法が暮らしの中に生かされ、人間の尊厳が何よりも大切にされる国づくりを強く願っています。
 このような憲法改悪の道に繋がる企みは断固として容認することは出来ません。国会上程の危険が強まっている時期でもあり、あらためて「憲法」を学び、職 場と地域で対話と運動を一層強める決意を表明するものです。

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