民医連新聞

2003年6月16日

新入医学生から6人の奨学生が誕生/青森民医連

【青森発】この春入学した医学生に六人の奨学生が生まれました。医学生担当者はじめ青年医師の知恵と工夫、そして地道なはたらきかけが実を結んだものです。(岩上真吾・県連医学生委員長)

 「新歓企画の学外実習で、治療の現場に立ち緊張感を体験しました。私も六年後にはこのフィールドに立つ人間になるのかと思うと、身震いしてしまいまし た。救急車で運ばれてきた患者さんの『苦しい』という訴えに、冷静に対処していた医師の姿。これはあたり前なのだろうけど感動しました。何も知らない私た ちに、ていねいに相手してくれてありがとう。この実習で健生病院などの医療内容や地域での役割を知り、自分も将来、青森の医療に貢献したいと思います」。 奨学生になった新入生の決意です。

7割の新入生が実習に
 弘前大学では例年、新入生対象の「学外実習」を学生自身が企画します。民医連は、学生の自主的運動に協力する立場で、実習の場を提供しています。今回は 救急医療、地域医療、精神医療の三コースに、新入生八〇人のうち五七人、のべ八七人を県連内の事業所で受け入れました。
 オリエンテーションでは、健生病院の長谷良志男院長が「津軽地域の医療情勢」を熱く語り、「学ぶ意義」を訴えました。往診の実習では、患者さんが話をし てくれ、これに感動して涙を流す学生が続出しました。
 青森ではここ数年、低学年の奨学生が生まれず、医学生担当者たちは頭を悩ませていました。今年の新歓期に臨んでは、知恵をしぼり企画も練り上げました。 「実習受け入れマニュアル」を作成、担当する医師の配置を厚くし、みんなでていねいに対応する配慮などです。

なんでも工夫してみよう
 毎年、大学受験日に配布する奨学生募集のパンフレットを、混雑する中もれなく配布するには? 今年は、手提げ袋にして受け取りやすく、「寒さに負けない で」との思いをこめてカイロも入れました。これでほぼ受験生全員に手渡すことができました。
 実習に参加した学生には「奨学金に興味がありますか」と、アンケートで率直に質問。「興味ある」と回答した学生には、面談をすすめました。大学内にポス ターを掲示し、奨学金説明会も開催。今年は三年編入の学士入学生を対象にした説明会も実施しました。

研修医が活躍
 病院実習で講師や案内役を担い、大活躍したのが研修医です。学生の素朴な質問にていねいに答え、時には朝までつきあう研修医たちが、新入生に与える影響は絶大でした。
 今後は奨学生が民医連に入職するまで援助することも重要な課題です。医学生と真正面で対応する医学生担当者は、学生の疑問に答え問題提起もできるように と、毎日三〇分学習会を行っています。青年医師が生きがいをもって日常医療にとりくむ姿も、後輩学生が民医連に飛び込む勇気を生むカギです。
 いま、ひきつづき夏の病院実習、高校生一日医師体験を成功させようと奮闘中です。

 (民医連新聞 第1310号 2003年6月16日)

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