声明・見解

2005年4月27日

【声明2005.04.27】高齢者にあらたな負担を押しつける 介護保険改悪法案の衆院厚労委での採決強行に 断固抗議し、介護保険改悪阻止へ全力でたたかう

高齢者にあらたな負担を押しつける
介護保険改悪法案の衆院厚労委での採決強行に
断固抗議し、介護保険改悪阻止へ全力でたたかう

 2005年4月27日
 全日本民主医療機関連合会
会長 肥田 泰

 自民党・公明党連立与党と民主党は、4月27日の衆議院厚生労働委員会で、介護保険法「改正」案の審議を打ち切り、採決を強行し衆議院本会議に送付しました。法案の問題点に目をつぶった採決強行に強く抗議するものです。

 介護保険法がスタートから5年を経過しての制度の見直しにあたっては、高齢者や家族、介護に関わる多くの人々が、「重たい保険料・高い利用料の改善」 「特養待機者34万人の改善はじめサービス整備の拡充」など介護保険制度の持つ問題点の改善を強く求めてきました。

 しかし、今回の介護保険「改正」案は、こうした問題点の改善を行わないばかりか、「制度の持続可能」を名目にして「財政の論理」優先の給付抑制をすす め、国民・高齢者に新たな負担を押しつけるものであり、多くの利用者・家族・事業者・自治体も法案に反対を表明しています。
また、この間の衆議院厚生労働委員会の短期間の審議や参考人質疑・地方公聴会などでも、介護保険「改正」法案の持つ問題点が多数指摘されてきました。

 衆議院での国会審議を通して鮮明になった今回の「改正」案の問題点は、 第1に、「軽度者がヘルパー利用などの介護サービスで介護度が悪化している」とした点は、厚生労働省のデーターでも軽度者の介護度改善がもっともすすでい ることが明らかになりました。にもかかわらず160万人もの軽度者の介護サービス制限と新予防給付への移行をすすめようとしていることです。
 第2には、介護施設入所者へのホテルコスト(室料や給食料)の徴収問題でも、入所者1人年間39万円もの大幅な負担になること、わずかな年金支給の高齢 者からも多大な負担を求めることの問題点が各界から強く指摘されていることです。
 第3には、今回の「改正」法案は枠組み法案であり、160にもおよぶ政省令で肉付けされる法案であり、これらは、国会にも諮られず、「国民にも一切明ら かにされず」にすすめられる点です。

こうした重大な問題点を持つ介護保険「改正」案は、まさに介護保険改悪法案です。
介護を必要とする高齢者や家族・国民にあらたな負担と苦しみをおしつける介護保険改悪法案の衆議院委員会採決を強行した与党・自民党・公明党に強く抗議す るものです。
 同時に、軽度者の介護状況・介護予防やホテルコストなどの問題点を国会審議で一定明らかにしながら、衆院厚生労働委員会での採決強行に手を貸して法案に 賛成した民主党に対して抗議すると共に、高齢者・国民の願いに真摯に応える立場に立つことを強く求めるものです。
 5月連休明けの衆院本会議での採決後、介護保険改悪法案の国会審議は参議院に移ります。衆議院の審議で一層明らかになった法案の問題点を徹底的に審議 し、廃案にすることを求めます。

 私たちは、この連休前後の活動を強化し、連休明けからの全国一斉行動期間を設け、宣伝と対話、学習と署名、要請行動を広げ、介護保険改悪阻止・安心でき る介護保障制度めざして一層奮闘するものです。

以上

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