民医連新聞

2020年2月4日

「2つの柱」を深化させ健康権の実現へ一翼を担おう 第44回総会 運動方針(案)のポイント 藤末衛会長に聞く

 全日本民医連は、2月20~22日に熊本市で第44回定期総会を開催します。総会運動方針(案)が発表され、各事業所では討議がすすんでいます。今回の方針(案)のポイントを藤末衛会長に聞きました。(長野典右記者)

 第44回総会は、綱領改定10年の節目に開催され、2020年代の重点課題と、今後2年間の運動方針を決定します。

■市民と野党の共闘で

 綱領改定後の10年は社会も政治も大きく変化しました。超高齢社会、貧困と格差の広がり、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故、自然災害が多発し、国民生活に深刻な影響を与えてきました。安倍内閣は新自由主義的な成長戦略、軍事強化、社会保障の理念の変質、消費税増税を強行、9条改憲をめざし、突きすすんできました。これに対して私たちは市民社会の一員として共同の輪に加わり、9条改憲を許さない総がかり運動、辺野古新基地建設反対、市民と野党の共闘による国政選挙などにとりくんできました。
 2017年、国連での核兵器禁止条約の採択は、長年被爆者をささえ、核兵器廃絶の運動の一翼を担ってきた民医連として感無量の出来事でした。国際的な規範の健康権を位置づけ、健康の社会的決定要因(SDH)の探求と改善、第42回総会(2016年)で、民医連の医療・介護活動の2つの柱(以下「2つの柱」)を提起しました。

■2020年代の目標

 この10年で、個人が尊重される社会をめざす憲法に依拠し、「共同のいとなみ」を基本理念に人権を守る医療・介護活動と、共同の力で平和と社会保障を求める綱領改定の核心部分の実践がすすみました。しかし、まだ社会保障の後退を食い止められていないこと、医師をはじめとするスタッフ不足と経営的困難は克服すべき大きな課題です。
 2020年代の重点課題として、4つのことを提案しています。1つには、平和と人権を守る運動に地球環境問題を加えて、地域から世界へ発信してゆくことです。まず皮切りに4月のNPT再検討会議、ニューヨークで開催される原水禁世界大会の成功が重要です。地球環境問題は、公害とたたかってきた民医連の歴史も踏まえてとりくみを強化していきます。2つには、健康格差の克服に挑む医療・介護の創造と社会保障制度改善をセットですすめることです。貧困と格差が広がる中でSDHを重視すれば、克服のためにソーシャルワーク機能の強化が必要です。3つには、生活と人生に寄り添う切れ目のない医療・介護の体系と方略づくりです。県連・法人で患者、利用者の人生の最期まで寄り添える統合的な事業所づくりが大切です。4つには、高い倫理観と変革の視点を養う職員の育成です。働いている喜びや誇りを感じられるよう、医療・介護活動の中で起こるジレンマを倫理的に対処でき、社会制度に問題があれば運動で変革する視点を養う育成がカギを握ります。

■44期の課題

 44期の2年間では、2020年代の4つの課題を意識して、1つ目に「2つの柱」を深化させ、事業体系の整備と連携づくりに攻勢的にとりくむこと。2つ目には、全世代型社会保障改革に対(たい)峙(じ)し、健康権実現のために運動の一翼を担うこと、地域から福祉力を育むまちづくりをすすめることです。3つ目に、9条改憲を許さず、辺野古米軍新基地建設阻止、核兵器禁止条約発効へのとりくみの強化です。
 そして4つ目には、43期に提起した全日本民医連医師部の「大切文書」の議論、政策化を医師委員会と各医局ですすめ、多様性を尊重しながら、共通目標を確認していくことです。5つ目には、地域医療構想と地域包括ケアがすすむ中、地域でのニーズをしっかり受け止め、ベストマッチするよう転換していくスタンスを持って経営をすすめることです。全職員が経営を意識して力を合わせれば越えられない壁はありません。
 2020年代、民医連への地域の期待はますます高まります。どのような目標を持ち、展望を切り開くのか、4つの課題と当面の2年間の方針の議論を期待しています。

(民医連新聞 第1709号 2020年2月3日)

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