Dr.小池の世直し奮戦記

2006年7月1日

Dr.小池の国会奮戦記 陸海空3軍司令部を米日で一体化!? 米軍再編でわかりやすくなった改憲の狙い

 米軍再編が日本列島を揺るがしています。
 イチローのいるシアトルの近くから米陸軍第一軍団の司令部が神奈川・座間に移転し、陸上自衛隊の新しい司令部と一体化します。東京・立川の米軍横田基地 には航空自衛隊の司令部が移転し、米空軍の司令部と同居します。沖縄では、名護市に新しい海兵隊の基地がつくられようとしています。山口・岩国にも空母艦 載機が移駐します。
 それぞれの地元自治体では官民あげて反対の声が上がっているのに、日本政府はまったくおかまいなしにゴーサインを出しました。

日本の防衛とは関係なし

 そもそも今回の米軍再編とはいったい何のためのものか。
 一つは、米軍がどこで戦争を起こしてもすぐに出て行けるようにするため、世界規模でおこなう再編の一環です。陸軍司令部がアメリカ東海岸から座間にくる のも、中東やアジアと「時差が小さいから」。日本の防衛とは、なんの関係もありません。
 もう一つは、同盟国の軍隊と文字通り一体化するためです。といっても、陸・海・空三軍の司令部を一体化するなんていう「同盟国」は世界中探しても、日本 しかない。米海軍司令部は、海上自衛隊とともに、もともと神奈川・横須賀にあります。
 元米国防総省日本課長のジェームズ・アワー氏は「(米軍再編に)日本の外相、防衛庁長官が合意したことは、集団的自衛権行使の用意があるとシグナルを出 したことになる」と指摘しています。
 これほどの重大問題を、国会にもはからずに勝手にアメリカと約束してきたことは断じて許せません。

日本が3兆円も負担!?

 しかも、この再編にともなう日本の費用負担は全体で三兆円。医療改悪による国民負担の一〇年分です。
 「米軍の米軍による米軍のための再編費用」を、何で日本の国民が背負わされなければならないのか。グアム島新基地建設のための七〇〇〇億円の支出など、もってのほかです。
 小泉首相は六月の訪米で、ブッシュ大統領への最後のプレゼントにしたいのでしょうが、そうは問屋がおろしません。

岩国でも沖縄でも反対

 岩国市でも沖縄市でも基地強化反対を掲げた市長が当選。反対運動の先頭に立っている座間や相模原の市長は もともと保守の立場です。元自民党幹事長・野中広務氏も「自衛隊はさらに米軍と一体化し、米国の世界戦略の一翼を担うことになる」(「朝日」4月29日) と指摘します。
 米軍と自衛隊が「いっしょに訓練し、いっしょに配置され、いっしょに暮らす」(グレグソン米太平洋軍海兵隊司令官)というほど一体化しても、日本が海外 で戦争することを禁じた憲法九条があるかぎり、「いっしょに戦争」だけはできません。改憲のねらいも、いっそうわかりやすくなってきました。
 党派を超えた怒りの声を、小泉首相への最後の贈りものにしましょう。

いつでも元気 2006.7 No.177

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