いつでも元気

2020年4月30日

お金をかけない健康法

 健康長寿のためには「よくかむ」ことが大切ということで、歯磨きのしかたや歯磨き剤についてお伝えしてきました。今回は歯科医療について、柳原歯科の土田昌巳所長(歯科医師)に聞きます。
(質問1)高齢者が一番多く抱える歯の病気は何ですか?
(回答)高齢者が歯を失う原因の第一は歯周病で、第二は虫歯です。
 歯磨き時に出血したり、歯ぐきが腫れたりしていませんか。これらは歯周病の初期症状で、進行すると歯肉が後退したり歯がグラついて痛くなったりします。早めに受診すれば、進行を食い止めて歯を失うリスクを減らすことができます。初期症状の段階で軽視せずに、早期受診をお勧めします。
(質問2)高齢者の虫歯についても教えてください。
(回答)加齢によって、歯の表面のエナメル質を修復する唾液の分泌が減ることは、虫歯の原因の一つです。また、加齢によって歯肉が後退し、エナメル質に覆われていない歯の根元部分が露出して、虫歯ができやすくなります。歯の根元部分の虫歯は見えにくいので、冷たいものが歯にしみるだけの初期症状でも早めに受診してください。
 本来は2~3カ月ごとに定期通院しつつ、日頃から口腔ケアに注意していただくことが望ましいです。
(質問3)歯を失うことは、生活の質にどのような影響を与えますか?
(回答)歯を失うと食事を楽しむことが難しくなり、低栄養から筋肉量の低下や運動機能の低下につながります。ひいては寝たきりになって、健康長寿をまっとうできないことも考えられます。
 また、歯を失うと認知症になりやすいことも分かってきました。かめないことによる脳の血流の減少や、歯周病菌との関連も指摘されています。最近は認知症の発症や進行を食い止めるためにも、歯科を受診することが強調されています。
 身近な方の「最近、口が臭くなった」「いつまでも口の中に食べ物が残っている」「入れ歯を入れっぱなしにして洗わない」などの症状に気づいたら、認知症の初期症状の可能性があります。かかりつけ医と連携して、もの忘れ外来の受診などを検討してください。


土田 昌巳さん
1966年、茨城県生まれ。昭和大学歯学部卒、歯科医師。東京民医連の大田歯科、蒲原歯科診療所などを経て、柳原歯科所長


口腔ケア
口の中を清潔に保つことで、「食べる」「話す」「笑う」といった口腔機能の維持・向上をはかる


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2020.5 No.343

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