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2020年6月16日

7月5日投票東京都知事選挙 都民が主人公に 藤田りょうこ都議に聞く 医療切りすての都立病院独法化 いのちまもる都政に転換を

 東京都知事選挙は6月18日告示、7月5日投票で行われます。小池百合子都政の4年間をふり返り、都知事選挙の争点を、東京・大田病院の元看護師、藤田りょうこ都議会議員に聞きました。(長野典右記者)

 「都民が決める。都民と決める」と都政大改革を訴え、4年前に誕生した小池都政ですが、都民不在の都政を強硬にすすめています。

■新型コロナ対策問題

 新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言は解除されましたが、都内の感染者はまた増え始め、6月4日には東京アラートが発令されました。新型コロナ感染の第二波に備えるためには、PCR検査体制の抜本的拡充と医療体制の強化です。これまで日本も東京都も、世界に比べてPCR検査があまりに少ないことがくり返し指摘されてきましたが、小池都知事は「必要な検査は実施されている」という驚くべき認識です。早急に検査体制を整え、都民のいのちを守ることが求められています。

■医療強化逆行の独法化

 都知事選挙の争点の1つ目は都立・公社病院の地方独立行政法人化です。
 石原都政時代に、16あった都立病院を8つに減らしました。感染症医療は、日ごろから病床を確保する備えが必要であり、都の医療政策に位置づけて体制を整えていました。都内にある感染症指定病床118床のうち、都立・公社病院で確保している割合は約7割を占めます。1月29日、中国・武漢からのチャーター機で新型コロナウイルス感染症の患者を真っ先に受け入れたのは都立・公社病院でした。
 しかし、小池都知事は、2019年12月の所信表明で、すべての都立・公社病院の経営形態を、2022年内をめどに地方独立法人化する方針を示しました。公的病院の地方独立行政法人化は経営効率を最優先し、行政的医療の縮小廃止を目的とするものです。
 地方独立行政法人化された全国の病院では、自治体からの運営費が削減され、患者の自己負担増や収益の低い診療部門の縮小がすすめられています。医師や看護師などの人件費削減で安定した人材確保が困難となり、医療の質が低下する要因となっています。
 「都立病院の赤字を埋めるために、400億円もの都税を投入している」と主張する与党議員もいますが、都病院経営本部長は、「都立病院は、災害医療や周産期医療、救急医療など、他の医療機関だけでは対応困難な行政医療を提供している」「一般会計からのくり入れは赤字補填ではない」と明確に答弁しています。
 将来にわたって都民のいのちを守るため、と小池都知事は言いますが、地方独立行政法人では、都民のいのちは守れないのです。

■危険な新飛行ルート

 2つ目が羽田新飛行ルートです。羽田空港の国際線枠をさらに拡大するために、これまで原則飛行しないとしていた都心上空の飛行を解禁。学校や保育園・福祉施設、住宅などが密集する市街地の上を旅客機が超低空飛行するルートです。騒音や航空機からの落下物など、都民の生活とくらしに大きな影響をおよぼします。そのため、品川、渋谷、港の区議会では新ルート計画は容認できないなどの決議や意見書が次々と採択されました。
 住民の合意を前提としてきた国は窮地に追い込まれていたのですが、それを救ったのが、東京都です。小池都知事は「世界に類を見ない落下物防止対策を実施している」と国の対策を評価した上、国際競争力などのために、羽田空港の機能強化は極めて重要とし、必要な手続きを着実にすすめるよう国に求めました。しかし、実際の対策は、飛行機から部品欠落した原因を調べて対策を行うものであり、「落ちることが前提の対策」です。新ルートの中止こそ一番の安全対策です。
 騒音対策として、離着陸時新入角度を国際標準の3度から、3・5度へ急角度に引き上げましたが、実機飛行では、騒音対策にはなりませんでした。それどころか、着陸の難易度を上げ、事故のリスクを高め、国際パイロット団体も「世界の空港に例のない特別な操縦技術を求められる」「この角度で飛んでいるパイロットはいない」と警告しています。
 現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、4月の訪日客は前年度と比べ99・9%も減っています。それでも新飛行ルートを飛んでいることについて、国土交通大臣は「騒音測定のため」と答えています。新飛行ルートは全く必要なく、直ちに中止すべきです。

■カジノはいらない

 3つ目はカジノ誘致問題です。この7年間、IR・カジノ誘致の調査は毎年実施されてきました。小池都知事は「IR・カジノは経済成長や観光振興を後押しする」と述べてきましたが、世界的にみるとカジノ業界は業績が悪化しています。世界最大のカジノ運営会社が日本での統合型リゾート施設(IR)事業ライセンスの取得を断念しました。カジノはギャンブル依存症をつくり出すことで利益を得て、事業を成り立たせる商売です。カジノをつくらせないことこそ、ギャンブル依存症をなくすことにつながるのです。
 都民ファーストの都政とはいうものの、これまでの開発優先の自民党都政となんら変わりません。今回の都知事選挙で、都民が主人公の都政への転換を勝ち取る必要があります。

(民医連新聞 第1716号 2020年6月15日)

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