民医連新聞

2020年9月22日

相談室日誌 連載484 地域に根差した相談事業所をめざして(沖縄)

 当事業所で行う高齢者への支援は、介護相談、医療、障害、貧困、身寄りなし、孤立、近隣トラブルなど多岐にわたります。家族に関する相談も寄せられます。

  8050問題のケース
例1) 高齢の母と精神疾患のある子の2人暮らし。子は障害サービスを利用しているが、精神的な不安定などからたびたび暴言がある。母は身体的、精神的負担で入院、子もひとりの生活は困難で自殺をほのめかしたり、歩行障害もあり、入院をくり返している。互いに依存しているため離れて暮らす意向はなく、サービスや生活環境の調整で見守りを継続。どちらかに何かあった場合、頼れる親族はいない。

  身寄り、保証人なしのケース
例2) 独居。転倒後に救急搬送されるも医師と衝突。検査せずに帰宅し、大家と来所。栄養状態も悪く、受診に同行すると肺気腫の診断。生活保護費を1週間で全額使用、借金もあり自己管理ができていない。現在は身体機能低下、意欲低下で施設に入所。幼少期の家庭環境から十分な学習を受けられず、役所の手続きや病院が苦手で避けて生活してきた。付き添いがないと自身の病状を伝えることが難しく、説明の理解も不十分で、服薬管理にも支援が必要。介護、医療、地域、身元保証支援と連携して生活全体をささえる必要がある。
 人はひとりでは生きていけず、誰かを頼り日常生活を送っています。高齢者や障害者などの場合、誰に相談をすればいいのかわからず、体調が悪くても受診できない(しない)、生活に不自由があってもそのまま継続し、大きな問題になることもあります。
 身寄りがない、頼れる人がいない人の支援では、関係者が業務外で役割を担っています。核家族化などの社会的要因(SDH)があり、今後も増えると予測されますが、親族がいないと医療機関や介護施設で受け入れを断られることもあります。社会保障制度の充実、関係機関の受け入れ体制の整備が必要です。生活圏域では長期にわたる継続したささえ合いが不可欠で、地域住民と協力した地域づくりも必要です。時代や地域の特性に合った生活環境を整え、気軽に相談できる地域の窓口として利用してもらえる事業所をめざしていきます。

(民医連新聞 第1722号 2020年9月21日)

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