声明・見解

2005年6月17日

【声明2005.06.17】自公民3党による介護保険改悪法案の参院委員会採決強行に断固抗議し、 だれもが安心できる介護制度改善へ全力をあげよう

自公民3党による介護保険改悪法案の参院委員会採決強行に断固抗議し、
だれもが安心できる介護制度改善へ全力をあげよう

 2005年6月17日
全日本民主医療機関連合会
会長   肥田  泰

 6月16日、参議院厚生労働委員会において、介護保険改悪法案の採決が自民党・公明党と民主党によって強行されました。介護保険改悪を推し進めてきた自民・公明連立与党はもちろん、法案の成立に手を貸した民主党に対して、満身からの怒りを込めて強く抗議するものです。

 今回の介護保険改悪法案に対して、介護を受けている多くの高齢者・家族から不安や怒りの声が寄せられ、介護事業者や介護労働者、そして地方自治体からも 反対決議が出され、「問題点の改善を」「慎重審議を」の声が寄せられていました。 衆院・参院での審議や参考人質疑の中からも、様々な角度から法案の問題点が指摘されました。このことは、参院厚生労働委員会での法案採決後に、自民・民 主・公明3党から24項目におよぶ付帯決議が提案されたこと自体、法案に数多くの問題点があることを示しています。

 特に強行された介護保険改悪法案の大きな問題点は、第1に、この10月から施設入所者・ショートステイ利用者に居住費・食費などの負担、通所サービス利 用者に食費負担を求める問題です。年間40万円もの負担増は、わずかな年金暮らしの高齢者を直撃し、「施設から出ていかなければならない」「施設には入れ ない」事態を全国で生み出します。しかも、10月までわずかな期間での準備は、介護施設や自治体の現場に大混乱を引き起こします。
 第2の問題点は、介護予防を名目にして軽度者の在宅サービス利用を抑制することです。参院の審議では、年間1000億円ものサービス抑制になることが明 らかになりました。また、新予防給付でも、筋力向上トレーニングの科学的な効果が示されず、手厚い体制のモデル事業でも2割、3割の方が筋トレで状態が悪 化した報告も出ています。「家事援助の過剰な利用が介護度を悪化させる」としてきたデータも間違いであったことが判明しました。
 第3には、今まで国と自治体の責任で市町村が行っていた老人保健事業が、介護保険に組み入れられて、保険料負担と利用料負担が住民に押しつけられること です。これにより老人健診や介護予防・地域支え合い事業が利用しづらいものになり、地域の介護予防の後退にもつながりかねません。
 第4は、今でも高い介護保険料が来年度からさらに引き上げられることです。税制改革により、これまで非課税であった100万人以上の高齢者に年金課税・ 国保料引き上げ・介護保険料のランクアップによる負担増の中で、さらに介護保険料が3割も上がる見通しを厚労省は示しています。

 介護保険の改悪で10月から食費・居住費負担が始まります。また、「同居家族がいれば家事援助はダメ」など軽度者へのサービス規制が、自治体によって先行的に始まっています。
 今回の改悪によって施設や在宅で、「介護保険からはじき出される高齢者をださない」取り組みが全国で求められます。自治体でも独自に負担増を軽減する施 策も求められます。私たちは、介護保険改悪で「1人の高齢者も泣かせない」立場で地域から運動を強めていきます。
 さらに介護保険改悪につづき、障害者に大きな負担を押しつける「障害者自立支援法案」に反対する運動をあらためて強化するものです。
 私たちは、だれもが安心して地域で暮らせるように、介護制度の改善と介護保障の確立をめざして、自治体や地域の事業者、地域の人々との共同の取り組みを一層広げるものです。

以上

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