医療・看護

2020年11月17日

診察室から ささえているのではなく、ささえられている

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当診療所でも感染予防対策を考えなければならなくなりました。当診療所は無床診療所で外来診療、在宅医療を行っています。感染予防対策を考えるにあたり、医師だけでなく看護師、事務からなるチームとしてとりくむことにしました。外来診察をする場所、診察の流れ、在宅診察の流れの対応は考えていましたが、看護師からは診察器具の消毒対応、診療所内の消毒の仕方、事務からは会計の仕方、待合室で密にならないための配置、患者の理解を得るための掲示など、医師だけでは気づかないさまざまなことに目を向けて提案してもらいました。当診療所には地域包括支援センター、居宅介護支援センター、通所リハビリもあり、現在も診療所スタッフといっしょに適宜、感染予防対策を相談しながら対応しています。
 スタッフには、今までにない対応への戸惑いや、普段の業務のほかにさまざまな対応を要するため、負担やストレスが増えています。しかし毎日忙しい中、一生懸命仕事をしています。いっしょにすすめることで感染症を身近に感じ、何より顔の見える関係が多職種協働につながっているのではないかと、あらためて感じます。
 先日、組合員主催で「診療所の現状・今後の展望」の講話を開催。感染予防によるさまざまな対応へ、患者、住民のみなさんの協力もお願いしました。感染予防を徹底し、組合員と久しぶりに交流できました。「地域に密着して診てもらうことで安心、安全性が高く、ありがたい」との声ももらい、大変うれしかったです。
 医師が患者、住民をささえていると思われがちですが、地域活動に参加することや多職種が連携することで、逆に住民、行政、スタッフを含めた多職種にささえられていることに気づきます。
 コロナ禍で人と人との関係が薄くなっていますが、今後も医療関係者だけでなく、住民、行政、多職種と協働して地域医療、そして魅力ある地域をつくり上げていきたいと思います。(鈴木忠広、栃木・生協ふたば診療所)

(民医連新聞 第1726号 2020年11月16日)

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