民医連新聞

2003年8月4日

企画名人(9) 大自然の中で「リハビリ農園」―長野中央病院―

 今回は長野中央病院です。ここでは、脳卒中リハビリ友の会(患者会)やデイケア利用者を中心に「リハビリ農園」にとりくんでいます。理学療法士の高野さやかさんの通信です。

当院から車で約一時間ほどにある戸隠村の大自然の中に、「リハビリ農園」を開設し、今年で一〇年目を迎えました。この農園は戸隠村の「体験農園」の制度を利用して土地を借りたものです。

 「リハビリ農園」の企画は四月の肥料まきから一一月の収穫祭まで七カ月に渡ります。いまの季節は春に植えたジャガイモの収穫をしています。

 外出の機会を作るだけではなく、患者様がより意欲をもって関われるとりくみとして始めました。

 手足に障害がある人も、職員やボランティアにささえてもらいながら作業し、畑に入れない車椅子の人は現場監督をします。なかには、くわの使い方を職員に教えてくれる人もいて、それぞれ自分でできる仕事をします。

 最初は、農園に行くのを嫌がっていた人も、実際にその場に行くと気分も変わり「楽しかった」と言ってくれました。

 この企画は生産・収穫を喜び分かち合い、同じ障害をもった人、家族、職員との交流の場にもなっています。

 収穫される作物のできばえが年々よくなり「売り物ですか」ときかれるほど。できた作物は、参加者がお土産に持ち帰ったり、収穫量が多いときは、希望者に販売したりしています。

 八月下旬には、大根の種をまき、一一月の収穫祭では、自分たちが収穫したそばを打ち、大根を具に入れておやきを作ります。

 みんな秋の収穫を楽しみにしているところです。

(民医連新聞 第1313号 2003年8月4日)

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