民医連新聞

2003年8月4日

関東・甲信越地協 アンケートにみる青年の本音

 「民医連で働いてよかったと思うことは?」「つらいことは?」「仕事を辞めたいと思うことはある?」-関東甲信越地協が青年職員アンケートを行い ました(実施は同地協青年プロジェクト)。二〇歳代の青年職員とともに、その職場管理者にもアンケートを実施。「青年職員の意識や願い、状況」「ジャンボ リーへの評価」「青年職員育成の問題点」など、青年職員育成の問題提起に役立てようというねらい。アンケート結果をみて青年職員自身はどう感じたでしょう か、「本音トーク」をご紹介します。(編集部)

 関東甲信越地協の全県連から、七二九人が回答(うち青年五四一人)。全日本民医連の職員構成に対し、看護師・技術職の回答が少し多くなりました。対象は各県職員数の一〇%以上の職員が所属する規模事業所を選び二〇代職員と、その職場管理者です。

青年の意識は

 「民医連で働いていてよかったと思うこと」(表1)では、「どんな患者さんにも無差別平等な医療を提供するよ う、みんなでがんばっていると実感できる」が四五%とトップでした。次いで「他職種との連携がとれる」でした。医師、技術職では「他職種とコミュニケー ションがとれる」、看護・事務は「無差別平等の医療に…」が最も高い評価。同時に、「患者を生活と労働の場でとらえる」点に民医連の優点を認める青年が、 診療所で一九%であるが、全体では九%にとどまりました。

 逆に「働く中でつらいこと」は「業務におわれ、コミュニケーション不足」がトップで約六割を占めました。次いで「署名・社保活動」が約四割。「技能獲得がおいつかない」、「医療の安全に不安」とつづいています(表2)。

shinbun_1313_03

shinbun_1313_04

 

 「仕事を辞めたいと思うことは?」の回答は、図1の通りです。(あわせて、「この先働きつづけようと思うか」の結果は図2)。

shinbun_1313_05shinbun_1313_06

 


青年同士の交流について

 他職種や他事業所の青年職員との交流の場に参加したいかどうか、の結果は半々でした(図3)。

shinbun_1313_07shinbun_1313_08

 全国青年ジャンボリーに「参加経験あり」が三九%。「ない」が過半数(図4)。

 JBの企画で「興味、関心のあるテーマ・参加したいと思うジャンボリー企画は、「スキー・スノボー」、「他施設見学」、「メンタルヘルス学習会」が高位でした。(図5)

shinbun_1313_09

 


職責者から見た青年職員は

 職場管理者と青年職員で見解に差が目立ったのは、(表1)「親切でよりよい医療を提供していると実感」の項。職責者五一%に対し、青年は二七%でした。

 また青年職員育成上の悩みは、「青年職員の育成を考える時間と体制がない」が五割近くを占め、「社保運動に参加を組織するのが困難」、「職場会議で発言しない」とつづきました(表3)。

shinbun_1313_10

******

 同地協青年プロジェクトでは、この結果とともに、各県に答申を行う予定です。

*青年トーク*

●共感するね。でも、どうしたらいいかな?●

(^_^) 私はこの結果に共感。「その通り」って感じ。

(’_’)  「職場のコミュニケーション」が悩みの1位か。確かにこの良し悪しは大問題だよね。

(^o^) 職場によって働いてる人の表情に違いがあるね。コミュニケーションの良い職場は表情も明るい。 逆に「仕事上だけの人間関係」っていう雰囲気の職場は暗くて、自分なら耐えられないかも、と考えちゃう。ちなみに僕の職場は、みんなが狭い休憩室にぎゅう ぎゅうに入って話すぐらい、仲が良いんだけど。

(T_T) 病院は業務が過密すぎて、職員が交流する時間ナシ。民医連の「ミ」の字も考えるヒマがない、という雰囲気。自分の時間を交流に使おうという人は少ないしね。「民医連は医療だけじゃなくて、社保や共同組織が大事じゃないかなあ」と思っても、上司に余裕がない。

(-_-) 社保活動で悩むのは、「署名を集めてきましょう」と提起されるけど「なぜこの署名なのか」が話されないとき。「理由も分からないまま動けるもんじゃない…そういう言い方すると青年の反感を買うよ」と気を遣う。

(^_^) かばうわけじゃないけど、もしかして、上司もどう話して良いか、わかんなくて困ってるんじゃない?

(^o^) 職場管理者アンケートの「青年の要求がわからない」「コミュニケーションがとれない」「発言しない」という悩み。けっこうあるんだね。「じゃあ、話を聞いて」って思うのは単純なのかなあ?

(’_’) 僕の職場では、上司が僕らに話しかけるようになって、会議で発言しなかった子が、意見を言うようになったよ。職場もガラッと良くなった。

(*_*) 上司を見てて「1人だけでがんばろうとしないで」って思う。「上の人たちだけではできないよ な」というような課題を、やろうとしてるように見えることもあるし、人知れず見えないところでもがんばっていることもあるようだけど、その姿はまわりに見 せていいんだと思うよ。「忙しい 忙しい」と僕らの横を通りすぎる前に、声をかけてくれていいのに。

(>_<) 職員みんなで考えないとマズい、と思ったのは「辞めたいかどうか」の項目。「できたらかわりたい…」人が結構いるのが気になった。民医連をこの先ずっとひき継いでいけるかどうかにかかわるじゃない?

(^-^) 僕は技術職で入職したけど、経営の事情で事務に職種替えになったんだ。同じように職種を変えて、やめちゃった人も。「働き続ける」以前にこの厳しい医療情勢で「職場がなくならないか」という不安もあるし。

(=_=) 病棟の人はみんな一度は「やめたい」と思ったことがあるらしい。私はないけど。(「おお~」どよめき)

(>_<) 普段から「民医連の良さ」を近くの先輩たちがもっと話をしてくれれば違うんじゃないかと思う。職員と医学生が話をする場によく立ちあうけど「職種間の連携が良い」という話はしても「社会保障も良くしていこうとしてるんだ」という話が出ないなあって感じる。

(=_=) 「研修」や「事例報告会」になったとたん、先輩たちが「民医連」を語り出すじゃない? なるほどと思って現場に戻ると、そういう話とは断絶された世界。自分の持ち場で民医連を実感することが無いの。

(T_T) 逆にばっちり語れそうな人は、役職が上すぎ! 僕らとコミュニケーションできない壁があるよね。

( ̄o ̄) でも、私たちも動かないと、職場が変わっていかないと思う。私は、最近意見を言うようにしてます。

●ジャンボリーのこと●

(-_-) 「ジャンボリーに参加したことがない」が6割もいるねえ…。

(*_*) でもさ、「他職種・他院所の青年の交流があれば、参加したいと思う?」の質問では過半数が「思う」だよ。

(’_’) それに、悩みごとのトップがコミュニケーションだったことを考えたら「どんどん声かけなきゃ」だね。

(^-^) だって、ジャンボリーに出会ってなかったら、僕はいま、ここにいなかったと思う。職場で理解してもらえなくて、苦労することは多いけど、がんばるよ。

(民医連新聞 第1313号 2003年8月4日)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ