いつでも元気

2021年1月29日

お金をかけない健康法

 痔に悩む人が、冬になると増えます。寒さで血行不良と肛門うっ血状態が続き、運動不足や水分不足で便が硬くなるためです。今年はコロナ禍による自粛生活などで、一層ハイリスクです。
 3人寄れば痔主が1人とも言われます。※1実は私も過去2回、痔で苦しんだことがあります。宴会での飲酒や、会合で冷たいいすに長時間座ったことが引き金となりました。
 痔の原因は生活習慣にあるとされます。例えば排便時のいきみ、長時間のトイレ、アルコールや刺激物の過剰摂取による下痢、冷たい所に座ってお尻を冷やすなどです。痔の予防には生活習慣の改善が必要です。
 第一が排便習慣。排便時間が長いと肛門に負担がかかるので、排便時間は3分以内にしましょう。便意を感じたらすぐにトイレに行き、短時間で切り上げることです。トイレ後に入浴して、保温・臀部マッサージ・痔核の押し戻しなども有効です。
 温水洗浄便座を正しく使うことも大切です。衛生的で保温にもなる温水洗浄ですが、洗いすぎは皮膚炎などの原因になるようです。洗浄時間は10~20秒が目安と推奨されています※2
 第二に食生活。暴飲暴食を避けて下痢を防ぎ、一方で食物繊維などを積極的にとって便秘を防ぎましょう。食物を良くかむことで、胃腸の動きも良くなります。水分不足は便秘になりやすいので、少なくとも1日1・2~1・5リットルは摂取しましょう。
 お勧めなのが起床直後の冷たい水1杯です(私は牛乳を毎朝)。その刺激が大腸にも伝わり、腸のぜん動運動を促し、自然な便意につながります。お尻のうっ血や痛みを悪化させるのがお酒の飲み過ぎで、特にビールが悪いです。
 第三に入浴・運動など。座りっぱなしは避けて、1時間に1回は起立しましょう。血行を良くする入浴は有効です。ウオーキングなど適度な運動も、血行が改善し便秘に有効です。
 おなかのマッサージ※3も毎日の習慣にしましょう。ラジオ体操はお腹まわりをねじるポーズなどが有効です。肛門をキュッと引き締めたりゆるめたりを繰り返す肛門ストレッチも良いですね。とくに体が温まっているお風呂の中で行うと効果的。寒い時期は腰回りにカイロを貼るなど、保温対策も必要です。

※1 痔の有病率は4~13%と推定され、45~65歳の年齢層に多く、男女差はない。ある製薬メーカーの対面アンケート調査では、約36%の人が「自分は痔の気がある」と答えた。日本人の成人の3人に1人が痔の経験があることになる。
※2 トイレに関する製造メーカーを会員とする日本レストルーム工業会では、ホームページなどを通して温水洗浄の過度の使用に注意を呼びかけている。
※3 おへそを中心に時計回りに「の」の字を描くように手を動かして、腸に刺激を与える。腸の流れにそって30回ほど、ゆっくり軽くマッサージ。入浴中など体が温まったときに行うとさらに効果的。

いつでも元気 2021.2 No.351

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