声明・見解

2021年1月25日

【声明2021.01.15】刑事罰・罰則を科す感染症法等改正の撤回を求める緊急声明

2021年1月15日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 現在、感染症法などの改正が政府により検討され、すでに政府与野党連絡協議会に示された。
 それによると、「新型コロナウイルス感染症の患者・感染者が入院措置に反したり、積極的疫学調査を拒否したりした場合などには刑事罰や罰則を科す」と明記されている。全日本民医連は、速やかに撤回することを求める。
感染症の制御は、国民的な理解と協力でしか成り立たない。その為に、科学的知見に基づく適切な感染制御を政策化し、何よりも患者・感染者の生活を補償し、安心して療養できる施設、入院体制を十分に準備し医療を行う医師・看護師をはじめとした医療従事者を十分に確保することが、国、自治体の責務である。
 歴史上日本では、ハンセン病やHIVの問題で、患者、関係者がいわれのない差別と偏見を受け、深刻な人権侵害が引き起こされてきた。その痛切な反省から、現感染症法は前文で「感染症の患者等の人権を尊重し」と明記した。人権が保障されない感染症対策は認められるものではない。
 
 現下の混乱は、経済優先の政策を強行、検査拡充など感染制御を怠り、感染を爆発的に拡大させた挙句に医療崩壊を招き、感染者が適切な医療を受けられない状況を作り出してきた政府の政策に原因がある。
 その責任を真摯に総括することもなく、混乱に乗じ患者に刑事罰・罰則を科すことで対処するなど認められるものではない。
 全日本民医連は、すみやかな撤回を求める。

以上

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