MIN-IRENトピックス

2021年2月2日

リレートーク 私と被爆75年(9) 変える力 岩手・川久保病院理学療法士 荒川博志さん

 今年は被爆75年。反核・平和運動を行う全国の仲間にとりくみや思いを聞きました。核兵器のない世界をつくるために私たちにできることは?

 「過去をふり返ると…、このまま進展しないのではないかという時代もあった。2017年に核兵器禁止条約が採択された。禁止を迫ることができる。70年たってやっとできた。法的な整備ができた。大多数が賛成した。圧倒的多数の人には核はいらないという結論に達した。批准はパフォーマンスではない」。2018年の原水爆禁止世界大会で聞いたオーストリア政府代表の言葉です。
 大国が核兵器を所有し、それを維持し続けることにさまざまな主張はありますが、事実だけをみると利己的な理由に依拠していると思います。さらに公然とその立場を取っているようにも見えます。そして、世界をみると多くの兵器を所有している国、大国は世界的な発言力も強いです。これに対して、核兵器禁止条約発効への流れは、核を保有する大国の力に依らず、核のない世界にしたいという国ぐにが、これからは世界的に力を持つ、ということです。どこかの国の利益ではなく、最大限視点を高めた世界レベルでの解決へ流れが変わってきていると思います。
 核兵器廃絶にとりくむ国ぐにが増え、市民社会が力を得て、核兵器廃絶が世界のルールになる。その過程、局面にかかわれることに大きな意義を感じます。この間、院内、共同組織の班会、原水爆禁止岩手県協議会をはじめとした岩手の各団体との共同の場など、多くの発言機会をもらいました。署名が力になることを実感しています。署名はひとつの意思表示の形であり、個人の考えを起点とします。さまざまな人、身近な人が知ったこと、感じたことを語り、それに触れることが大事だと思います。
 終わりの始まりとも言われるように、同条約に署名、批准していない日本政府を変えていくにはこれからの運動が重要です。署名など、ひきつづき行動することで、被爆者や私たちの思いを形にする活動にとりくんでいきます。

(民医連新聞 第1730号 2021年2月1日)

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