Dr.小池の世直し奮戦記

2007年1月1日

Dr.小池の国会奮戦記 将来に夢を持てる社会に変えよう たたかいの先頭に若者たちが立っている!

 たたかえば情勢は切り開ける。
 この言葉を現実のものとするたたかいが広がっています。先頭に立っているのは「偽装請負」という違法行為をただす若者たちです。

将来はホームレス!?

 「青色発光ダイオード」で有名になった徳島県の日亜化学工業は、「偽装請負」労働者1600人を直接雇用すると発表しました。労働組合の運動と世論に押 され、違法な働かせ方を止めて正社員への道を開いたもの。マスコミも大きく報じました。
 私も国会質問で取り上げたのですが、日亜化学で働く請負労働者は、正社員といっしょに何年も働いていても年収200万円余り。同世代の正社員の賃金の半分以下です。
 ある青年労働者は、同僚の「このままでは俺の将来はホームレスや」というつぶやきにショックを受け、「若者が将来に夢を持てない社会はおかしい」とたたかいに立ち上がりました。
 彼らが組合をつくり申し立てた文書によれば、労働局の臨検の際に請負会社は「間違っても『日亜の人から指示を受けている』『一緒に作業をしている』と言 わないように」という文書を配り、対応の練習までして偽装を徹底させていたといいます。
 私は柳澤厚生労働大臣に「明らかに労働者派遣法違反の、きわめて悪質な偽装請負だ」と指摘し、徹底した取り締まりを求めました。

なぜ「偽装」が行われるか

 なぜこのような「偽装」が行われるのか。少し説明が必要でしょう。
 製造業における「請負」というのは、たとえば工場で生産ラインの一部をまるごと受け持つことです。請け負った企業が労務管理の責任を負うので、発注した 企業の側が労働者を指揮命令することはできません。
 しかし現実には、工場の業務の一部を行いながら、工場側からの指揮を受けないなどということはあり得ません。ですからどこでも実態としては、工場からの 指示を受ける、つまり「派遣労働者」になっています。
 ところが「派遣労働者」となると、発注した大企業の側が労働者の社会保険や福利厚生などに責任を持たなければなりませんし、一定期間が過ぎれば直接雇用 の責任も生じます。「請負」のままにしておけば、コストもかからず、正社員にする責任も生じません。だから法律を犯してまで、請負に「偽装」するのです。

若者の苦しみに心を寄せ

 そもそも「請負業」には特別の法律も監督官庁もなく、まったくの野放し。私が04年の参院予算委員会で当時の全閣僚に「請負業に監督責任を持つ大臣は手 をあげよ」と聞いても、誰も手をあげなかったのですから。
 若者を法律違反でモノのように扱う働かせ方がまかり通る国が「美しい国」であるはずがありません。若者の苦しみに心を寄せ、夢と生きがいを取り戻すたた かいを、2007年、大きく広げていきましょう。
 『いつでも元気』読者のみなさんの今年一年のご健康を、心からお祈りいたします。

いつでも元気 2007.1 No.183

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ