いつでも元気

2021年3月31日

お金をかけない健康法

 薬が切れないように必ず受診していた慢性疾患の患者さんも、コロナの影響は避けられません。
 70代のAさんは糖尿病歴20年。最近は「コロナ太り」が口癖で、10カ月で3kg太ったとのこと。問題の血糖値ですが、この間HbA1c が6・7→7・1→7・6→8・1と悪化しています。「むーん、まずいですね」と私が言うと、「コロナのせいだね」とかわされます。
 70代のBさん。高血圧と脂質異常に加え、少々不安症もある独居の方です。「外出はクリニック受診の時だけで、ほかは一歩も外へ出ません。とにかくコロナが怖くて。買い物は取り寄せで、野菜はしっかりと洗っています」など、受診時には実によく話されます。
 私から「問題なのは運動不足です。ぜひ歩きましょう。散歩では3密になりません。歩いてコロナにかかったという話は聞きません」「糖尿病には食事療法と適度な運動。必要なら薬を飲んで、合併症予防が大事です」とお伝えします。
 60代で高血圧のCさんは、電話での再診が続いていましたが、それも滞ってきました。久しぶりの電話で「薬をしばらく取りに来ていないですね」と私が言うと、「コロナが怖くて、クスリを取りに行くのも足が遠のきます」とのお返事。Cさんは「血圧が170になることもある」とのことで、なおさら心配です。
 「血圧が高いまま放置するのはまずいですよ。40代で脳出血発作を起こした方もいます。血圧測定を続けながら、しっかり薬を飲んでください」とお話ししました。
 来院が不安そうな方には、クリニックの感染防止対策について丁寧に説明するように心がけています。「職員の体調管理や玄関での体温測定、消毒や待合室の換気など、対策はバッチリです。発熱などの症状がある人は、感冒外来として時間も場所も別にしています」。
 電話での診療と処方もコロナ禍のもとでの臨時的取り扱いとして、引き続き可能です。必ず受診と治療を継続しましょう。


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2021.4 No.353

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