事業所のある風景

2021年4月15日

民医連事業所のある風景 千葉/船橋市二和・八木が谷地域包括支援センター 安心して住み続けられるまちづくりのために

事業所のなりたち

 当包括支援センターは、船橋市の北部にあり、近隣に船橋二和病院、デイケア・訪問看護ステーション・八木が谷在宅介護支援センターなど民医連の医療介護機関があります。
 1960~1970年代に一斉に戸建てがたち、東京に行くサラリーマンたちが核家族で住みはじめ、町ができあがりました。その世代が今80歳前後となり、高齢化は地区ごとに26~36%で、今後一気に高齢化は加速し、とくに後期高齢者が増加すると見込まれます。高齢独居、高齢夫婦世帯、8050世帯など多く、地域の自治会やボランティアの次世代の担い手不足という都心郊外によくある課題をこの地域でも抱えています。
 1981年、千葉民医連の拠点病院として船橋二和病院がこの地域にできました。そして1996年、当センターの前身である「北部在宅介護支援センター」を船橋市から受託。その後、介護保険制度が施行されました。地区社会協議会とは発足当初より連携をはかり、地域の民生委員協議会とともにいまの「地域ケア会議」にあたる協議体を設置し、地域課題について定期的に協議を重ねてきました。地域の福祉まつりなどにも早くから参加し連携をしてきました。
 当初は船橋二和病院のなかにあった事業所でしたが、より地域に身近なところに事務所を構えようと、2017年に近隣の商店街に移転をしました。移転先の物件が見つからず困っていましたが、閉店しそうな店を見つけ大家さんまで探してくれたのは共同組織の方です。この方は今でも「気になる方」を地域で見つけ支援をしつつ包括支援センターにもつないでくれています。共同組織の方々は地域づくりにも欠かせません。今は地域ケア会議に共同組織の方も参加し、ともに地域課題を考えてくれています。

地域づくりを担って

 当地域包括支援センターの受託は2019年4月です。近隣の「八木が谷在宅介護支援センター」とともに、電動自転車で駆け巡っています。地域包括支援センターは、社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員、2人ずつ3職種と、要支援認定のケアプラン作成のプランナー3人で、高齢者の総合相談、権利擁護支援、虐待対応、ケアマネジャーへの支援、認知症相談などの個別相談の他、認知症カフェ支援や、認知症徘徊声かけ模擬訓練、地域とケアマネジャーの交流会など地域づくりを担っています。

コロナ禍でも

 現在のコロナ禍で、年金だけでは足りずアルバイトをして収入を得ていた高齢者が、仕事を失い相談につながるケースや、精神疾患の子と高齢者世帯で、緊急事態宣言により子どもの通所先が閉鎖となり親子の衝突が増え虐待通報につながったケースなど、コロナ禍で可視化しづらい方々が追い詰められて相談につながるケースも少なくありません。しかしその反面、制限のあるなかでも、共同組織の方や民生委員さんが、短時間の訪問で、孤立した世帯の心の支えとなっているケースもあります。個々のケースを通して、また地域の方々から地域の歴史を聞く懇談会などを実施し、連携と協働なしではできない地域づくりを考えています。
 これからも、船橋二和病院グループの一員として、地域機関と、共同組織と、船橋二和病院をつなぐかけはしとなり、医療と介護、地域が連携し、安心して住み続けられるまちづくりのため、職員一同がんばっていきます。 

船橋市二和・谷木が谷地域包括支援センター所長 上野 和美)

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