民医連新聞

2021年5月6日

診察室から コロナ禍の病棟再編で結束

 はじめまして。青森県弘前市にある健生病院の総合診療科で勤務しています。もともとは関西人ですが、縁があり、こちらで家庭医療専門医の後期研修を始めました。早いもので、気付けば弘前に来て5年目。寝坊助の私にとっては、いつまでたっても出勤前の雪かきは非常に厄介ですが、色濃く四季を感じられるこちらの生活に満足しています。今年は、延期になっていた専門医試験も控えていますが、準備の方はなかなか…。
 さて、今一番の話題といえば新型コロナウイルスによるパンデミックでしょうか。もちろん当院もですが、みなさんも各方面で対応に大変苦労されていることと思います。コロナ禍で非常に困るのは、人と人の繋がりが分断されてしまうことでしょうか。入院患者への家族の面会も控えてもらいますので、患者と家族のどちらへも精神的に大きな負担をかけ、心苦しい限りです。
 この時期ですが、職場での送別会や歓迎会も行えないのが現状です。個人的には、昨年の夏に97歳の父方の祖父を亡くしましたが、関西には戻りませんでした。大変な時期に、私事で迷惑をかけることを、祖父からも望んでいない、と叱られそうな気がしました。
 しかし悪いことばかりではなく、逆に新型コロナウイルスが流行してからできた交流もあります。院内にコロナ対応の病棟が創設されたため、私の所属する総合診療科をはじめ、一部の病棟が再編されました。他職種の職員の入れ替わりがあり、これまであまり面識のなかった違う科に所属していた職員と、いっしょに働かせてもらう機会を、短期間ですが得ることができました。緩和ケア病棟の看護師にはターミナルの患者の対応などを教えてもらいましたし、異動後も気さくに声をかけてもらえます。
 日に日に病棟業務も大変になっていますが、多職種で協力しおのおの少しずつスキルアップしながら結束してがんばっています。みなさんといっしょに、自分も成長できればと思う今日この頃です。(松井聡介、青森・健生病院)

(民医連新聞 第1736号 2021年5月3日)

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