いつでも元気

2021年5月31日

お金をかけない健康法

 ワクチン接種が新型コロナ感染予防の切り札と期待されています。
 外来で「コロナにかかりたくないのでワクチンを接種したいが、副反応など心配です。自分は受けられますか?」と聞かれることが増えています。
 ワクチンを受けられないのは、(1)明らかな発熱(37・5度以上)がある人、(2)重い急性の病気にかかっている人、(3)ワクチンの成分に対して重度の過敏症(アナフィラキシーなど)を発症したことがある人です。予診でこれらに該当しなければ、ワクチン接種を受けられます。
 一方で、高血圧や心臓病の治療を受けている患者さんから「厚労省の“注意が必要な人”に該当します」という不安の声も出されます。
 確かに注意が必要な人として、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を内服している人や血が止まりにくい病気の人、心臓・腎臓・肝臓・血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人などが該当し、かかりつけ医に相談することとされています。基礎疾患が悪化している場合は、主治医の判断で接種を延期する必要があります。
 また「いつから接種を受けられるの?」という質問もよく受けます。
 4月12日から一部の自治体で高齢者(65歳以上)への接種が始まり、初日に1139人が受けたと報道されました。政府の説明によると、5月からは高齢者施設の職員や基礎疾患のある人、6月頃からその他の16歳以上の国民に接種する予定とされています。ただワクチン供給や自治体の実務の進行状況にもよるため、完了時期は見通せません。
 接種のために予約が必要なことはご存じでしょうか。まず、お住まいの市区町村から接種券が郵送されてきます。どこの医療機関や会場で接種できるのか、広報誌やホームページで確認しましょう。
 接種を希望する会場を決めたら、指定の方法(電話やインターネット)で予約してください。当日は接種券と本人確認書類、(自治体によっては)予診票やお薬手帳などを持参する必要があります。


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2021.6 No.355

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