民医連新聞

2021年5月25日

住民のいのちと健康 地域の医療・介護を守ろう 新型コロナウイルス感染症対策本部 全日本民医連

 5月8日、全日本民医連四役会議、新型コロナウイルス感染症対策本部は以下の声明を出しました。概要を紹介します。

 新型コロナウイルス感染症は変異型ウイルスの拡大に伴い、その第四波が広がり、3回目となる緊急事態宣言が出されましたが事態は深刻化しています。とりわけ感染拡大が激しい関西圏では、多くの患者が自宅や施設に留め置かれたままで、状態が悪化しても治療可能な病院へ搬送されず、いのちを落とす人も出る深刻な事態です。
 緊急事態宣言は5月末まで延長されましたが、ここまでの感染拡大を招いた要因について分析し、対策がなされなければ効果は期待できません。政府は、聖火リレーなど五輪関連行事は無批判に継続し、ひっ迫する医療現場に五輪要員派遣を要請するなど矛盾に満ちた対応を続け、全体の「緩み」に繋がっていることは明白です。
 私たちは菅首相に対しあらためて要請します。(1)オリンピック、パラリンピックの開催を中止することを一刻も早く決断すること。
(2)解決困難な状況に陥っている都道府県に対し、政府の責任で全国レベルでの対策を迅速に提起し、実践すること。
(3)十分な感染者の抑制を達成するまで、行動制限の呼びかけと休業・自粛を継続し、十分な補償と、全ての医療機関・介護事業所へ財政的支援。
(4)変異株のゲノム解析を行える体制確立、検査体制を抜本的に強化拡充。
(5)訪問診療での治療を可能にする治療薬や酸素、感染防護具などの配備や診療報酬上の位置付け。
(6)各種ワクチンの評価と確保を促進し、国民への接種計画の開示と接種体制の整備。
(7)コロナ禍に乗じ、国民投票法改定案の審議・強行など憲法改定論議をやめ、国民のいのちと健康を最優先にした国会運営に集中すること。
 現在の危機的状況はまだしばらく続きます。県連・法人、事業所が危機管理体制を確立し、数カ月間を想定した構えと方針が必要です。地域のフェーズに合わせ、行政、医師会をはじめとして各団体、医療機関、介護事業所と連携し、いのちを守るとりくみをひきつづきすすめましょう。
 長期化で職員の疲弊は限界を超えています。職員のいのちと健康を守る全国的実践を学び、ささえ合い、職員を守り抜きましょう。共同組織とともに、地域で支援を待つ人びとと繋がり、民医連の役割を果たして行きましょう。

(民医連新聞 第1737号 2021年5月24日)

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