事業所のある風景

2021年8月17日

民医連事業所のある風景 埼玉/生協歯科 乳幼児から高齢者まで おいしく食べる街づくりを支援する

開設から32年目を迎え

 生協歯科は、1989年10月に埼玉協同病院敷地内に開設しました。開設当初はユニット7台で、診療スタッフは歯科医師2人、歯科衛生士4人、歯科技工士1人、事務1人の8人でスタートしました。96年には増築し、ユニット13台になりました。同年にはまだ臨床研修制度はありませんでしたが、3人の歯科医師が入職し、医療活動の幅が大きく変わっていきました。
 その後、患者数の増加に伴いユニットを15台まで増やしましたが、増設を重ねたため、ユニット同士の間がせまく、時代の流れも変わり、プライバシー確保の面や院内感染予防の面からも移転新築をすることにしました。2006年にはさいたま市緑区へ移転し、ユニット24台の大きな歯科診療所となりました。歯科医療活動、歯科保健活動、地区組合員活動のセンター機能を備えた事業所となるべく、職員育成や技術研修・技術支援など単独型臨床研修指定施設としてふさわしい規模と設備を備えています。また歯科保健活動の発信や予防に重点を置いた活動を実施し、地区組合員の拠点とし、歯科医療にとどまらない健康づくりを組合員とともにすすめてきました。
 現在は歯科医師9人、歯科衛生士13人、歯科技工士3人、歯科助手4人、衛生員6人、事務10人、送迎や訪問ドライバー3人の48人の職員とともに歯科医療活動を実施しています。

ライフステージに合わせた歯科医療サービスの提供を

 現在の外来患者数は月平均3000人を超え、レセプト件数も2000件、日当たり患者数は125人となりました。組合員は遠方からでも足しげく通院してもらうなど、近隣の人だけでなくたくさんの人たちに利用してもらえるまでに成長し、乳幼児から高齢者まで幅広く、地域の皆さんに利用してもらっています。
 また、昨年は訪問診療にも力を入れ、訪問管理患者数は120人を超える規模となりました。歯科医療における訪問診療の実施数はまだまだ少なく、在宅療養や病院での長期療養など、歯科受診が必要な人への医療提供ができていない現状もあります。歯科医院はコンビニよりも多くあると言われており、外来診療は確かに充実しているように思います。しかし、必要な人に必要な医療サービスを提供しなくては、口から食べる楽しみが奪われ、口腔機能の衰えから身体機能や認知機能にも影響を与えるとも言われています。在宅分野の歯科医療サービスの充実は喫緊の課題だと感じています。
 私たちは、「誰ひとり取り残さない」「お金がなくても安心して受診できる」「お口の問題以外にも困ったことを相談できる」そんな歯科診療所になり、職員が生き生きと働ける職場をめざして日々サービスの提供をしています。
 これからも乳幼児や妊産婦、成人や高齢者といったライフステージに合わせて、「口から始まる健康づくり」を地域に展開していきます。専門分野はもちろんのこと、在宅や予防分野を積極的に実施し、健診事業や定期健診など痛くなくても定期的にかかりたくなる歯科診療所をめざしていきたいと思います。

生協歯科 事務長 松浦佳美)

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