いつでも元気

2021年8月31日

独自の冊子で健康づくり

文・新井健治(編集部)

 コロナ禍で班会やサークルがなかなか開けないなか自宅でできる体操や脳トレなどを掲載した独自の冊子を作成する共同組織が増えてきた。
 宮崎、石川、東京の取り組みを紹介する。

地域訪問に手紙を添えて

宮崎医療生協

 宮崎医療生協は全国に緊急事態宣言が出た昨年4月から、感染予防情報に加え、体操や脳トレの資料を組合員に配布。今年4月以降は毎月、そうした資料をまとめた冊子「ためして見らんね~」を500冊発行している。
 冊子を作ったきっかけは宮崎医療生協健康まちづくり部の地域訪問。班会などの活動中止により、「高齢者は一歩も外に出ない日がある」「筋力の低下が心配」と危機感を持ち、宮崎生協病院近隣の組合員を訪問。直接会うことが難しいため、「家でもできる運動の資料をお持ちしました」と手紙を添え、主にポスティングで配布した。
 その後、緊急事態宣言で地域活動が中止になるたびに訪問。熱中症予防、口腔ケアなど季節に合わせた情報も加えた資料を配布し、対話できた人には困りごとを聞き取って解決してきた。
 宮崎県独自の緊急事態宣言が出た今年5月は、約1400軒を訪問。約2割の組合員と対話し「毎回楽しみにしている」「家で何をしていいのか分からないから、難しいけれど挑戦している」と冊子が好評だった。
 冊子には本誌連載の体操と脳トレのほか、間違い探しなどを掲載。健康まちづくり部の西亜記子さんは「組合員から班会や健康チェックで活用できる資料が求められていると分かった。コロナが収束しても冊子の発行は続けたい」と話した。

健康チャレンジで活用

石川県健康友の会連合会金沢北ブロック

 石川県健康友の会連合会金沢北ブロック(金沢市)は今年5月、会員向けの冊子「レッツチャレンジ!」を2000部発行。春の健康チャレンジで活用した。
 金沢市はまん延防止等重点措置の適用で5月の友の会活動は中止や延期に。金沢北ブロック事務局は「一家に一冊、手元に置いてもらい、健康づくりの参考にしてもらえるようにみんなで相談して作成しました」と語る。
 健康チャレンジは石川全体で毎年10~11月に開催しているが、金沢北ブロックは独自に春も開き、5~6月に647人が参加した。
 冊子には城北病院の理学療法士が紹介する体操や、城北歯科の歯科衛生士による歯磨き方法と唾液腺マッサージのほか、脳トレ、正しい手洗い方法を掲載。「分かりやすくてすごくいいね」「冊子を持って健康チャレンジをお勧めしたいから、多めにください」など、受け取った会員からはとても好評だった。

つながりを保ちたい

東京・城北健康友の会

 城北健康友の会(東京都板橋区)坂下支部事務局長の小田恵美子さんは、今年2月から毎月、同支部と小豆沢支部の会員30人に脳トレをはじめ、体操、口腔ケアなどの資料を届けている。
 両支部とも「おしゃべり喫茶」や「健康体操」のサロンがコロナ禍で中止に。「みんなに会えないなかでも、つながりを保ちたい」と『月刊デイ』の無料素材を活用。小田さん自身が歌詞の穴埋め問題や迷路を作成して26ページもの資料を作っている。
 受け取った会員からは「夫と『あーだ』『こーだ』と言いながら楽しんでいます」「外出できず、やることがないので助かっています」などの感想が。
 「電話で近況をたずねた時も脳トレが話題に。東京は4度目の緊急事態宣言が出て、いつサロンが再開できるか分からない。人は誰かとつながっていると感じることで、安心や前向きな気持ちが生まれます。今後も資料を届けます」と話していた。

いつでも元気 2021.9 No.358

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