民医連新聞

2021年11月2日

コロナでなにが ⑨共同組織の活動 アンケートに切実な声 「人と話せる場がほしい」

 今年の共同組織活動強化月間も、昨年に続きコロナ禍で活動の制限を余儀なくされるなか、全国でさまざまに工夫され、とりくまれています。東京・足立健康友の会では、コロナ禍の会員の困りごと、健康状態、受診状況、友の会活動への意見要望など、会員の意識、動向を掌握するために、昨年に続いて会員アンケートを実施しました。健和会本部組織課からの報告です。

 東京・足立健康友の会では、機関紙「下町の健康」9月25日号と合わせて、会員5500人にアンケートを配布し、400人超が回答した結果をまとめました(10月14日現在)。
 回答した会員の年代は、70代が44・9%と最多で、80代が34・4%、60代が11%と続き、30歳以下は0人でした。家族構成は「2人暮らし」が44・9%で、「1人」32・3%でした。

■健康に変化は昨年の2倍

 新型コロナウイルスワクチンは、94・2%が「接種した」と回答しました。
 「新型コロナウイルス関連で困りごとはありますか?」との問いには、86・1%が「ある」と回答。その内容(複数回答、図)のうちの「支払い」(15・7%)の内訳は、「国保料」9・2%、「介護保険料」8・7%、「医療費」8・1%、「水道光熱費」7・6%、「税金」6・6%、「家賃」2・1%などとなっています。その他に、「夫が入院中だが面会できず心配」「身内が働いている職場で陽性者が出て感染が心配。しかし休めない」「介護保険料はまるでどろぼうだ!」「母子家庭なので、娘の失業は家庭に負担が大きい」などの声が寄せられました。
 この1年間に健康状態の変化が「ある」と答えた人は52・5%で、昨年同時期に実施したアンケートの26・2%から倍増。長引くコロナ禍で不調を感じる人が増えています。内容(複数回答)は、「足腰が弱くなった」が35・5%ともっとも多く、続いて「体重が増えた」13・4%、「イライラすることが多くなった」10%などでした。また、「楽しいことがほとんどなくなった」「がまん状態」「閉じこもりの生活が長く続く。気持ちが暗くなった」など、切実な声も寄せられました。
 今年に入って医療機関を「受診した」95・5%のうち、「具合が悪くなった」人が10・5%いました。「受診していない」2・6%のうち、3割が「キャンセルした」と回答しました。受診回数は「増えた」13・6%、「減った」3・7%。受診回数が増えた理由は「足腰が痛む」「今まで行ったことのない整形外科に通院」「前年コロナで通院しなかったので悪化させた」など。受診が減った人では、「あまり外出したくない」「コロナ禍で医院に行きづらい」などの記載がありました。

■友の会の存在がささえに

 「今後、友の会でとりくんでほしい、参加してみたい行事、企画、サークル活動はありますか?」と複数回答でたずねると、「とくにない」24・9%、「体操ストレッチなどで体を動かす」21%、「パソコン・スマホ教室」15・2%、「医療や健康についての講座」14・4%、「ウオーキング」12・3%、などが続きました。「とくにない」理由は、住んでいる地域が遠いことや健康面での心配が多く、「コロナ禍の中、大勢の集まりには参加したくない」との回答もありました。
 一方、友の会への要望、意見には、「対話が少なく困っている。人と話ができる場がほしい」「さまざまな情報をひんぱんに」「コロナに気をつけて5~6人の集まりができれば」「この時期に会員アンケートはとても良い」「友の会に入会して相談にのってもらい安どした」などがありました。

* * *

 コロナ禍の自粛生活が長びくなかで身体的にも精神的にも、大きな影響を受けていることは明らかです。加えて、医療機関に受診した人のほとんどが70歳以上です。国保料や介護保険料の値上げ、医療費窓口負担2割化などが実施されれば、今後、必要な医療を受けることができなくなる高齢者が増えることが予想されます。

(民医連新聞 第1748号 2021年11月1日)

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