民医連新聞

2022年2月8日

雨にも負けず雪にも負けず 9条守る思いは変わらない 17年続く早朝憲法宣伝 あおもり健康企画

 憲法9条を改憲し、戦争する国に突きすすむ岸田政権。昨年の総選挙で、改憲勢力が衆議院の3分の2を占めました。あおもり健康企画と青森保健生協、社会福祉法人虹では、2003年3月のイラク戦争反対の宣伝行動をきっかけに、04年11月以降、17年間、毎月9、25日に早朝憲法宣伝を行っています。あおもり健康企画の大野あけぼの薬局を取材しました。(長野典右記者)

職員交替でマイクを握り

 1月の「9の日早朝宣伝行動」は9日が休日のため1月7日に実施。大野あけぼの薬局前でも8時15分からはじまりました。
 当日は昨夜からの大雪で、15人の職員が参加し、通勤中の通行人や運転手に向け、「守ろう!憲法9条」をアピール。職員が交替でマイクを握り、改憲を許さず、憲法を守り生かすことを訴えました。

危険な在日米軍基地が身近に

 入職2年目の薬剤師、柳谷将俊さんは県連の元薬学奨学生。奨学生のころ、北海道・東北地協主催の「薬学生夏のつどい」で、青森・三沢基地のフィールドワークに参加しました。「身近に在日米軍基地があることで危険を感じ、ニュースの見方が変わった」と語ります。「戦争体験者が少なくなり、戦争の恐ろしさがわからない世代が増えている」と、いまの政治に危機感を覚えています。
 先日、在日米軍三沢基地のF16戦闘機が燃料タンク2個を青森県深浦町の住宅地の近くに投棄し、青森空港に緊急着陸した事故を聞き、「沖縄と同じ状況が青森でも起きている。憲法9条を生かし、基地のない日本が必要」と語ります。

学習で問題意識高める

 副薬局長の岡田早苗さんは、「通行人や運転手には私たちの声を聞き、横断幕、のぼり旗を見て、憲法9条のことを知るきっかけにしてほしい」と語ります。昨年の総選挙の結果、改憲勢力が衆議院の3分の2を占めることになったことに岡田さんは、「日本維新の会の議席が伸びたのは、いまの自民党政治が嫌だということ。日本維新の会自身、選挙では改憲を語っていない」と言います。「この運動を継続させ、今の憲法の姿を伝え、改憲させない」と抱負を語ります。岡田さんも日々、平和や医療に関する新聞の記事を読み、問題意識を高めています。

他法人と共同で宣伝

 あおもり健康企画総務の玉熊律郎さんは、「当薬局に近接している、あおもり協立病院と虹の職員とは、いつも共同で宣伝行動を行っている」と言います。玉熊さんは、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の在日米軍基地内での感染拡大に、「在日米軍に特権を保障している日米地位協定で、米軍関係者が検疫を免除されている実態がある。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、緊急事態条項の創設をもくろむなど、自民党改憲4項目の危険性をもっと知らせなければ」と強調します。

職場学習が力に

 同薬局では、翌日の宣伝行動を職員に知らせるために、「明日は9条街頭宣伝。みなさん早起きして8時15分~がんばりましょう」「明日は25条宣伝街宣ですよ。8時15分だよ、全員集合!」と宣伝案内のカードをタイムカード前に掲示しています。
 専務理事の柳谷円さんは、17年間欠かさず宣伝を継続していることに、「憲法9条、25条を守るのは医療従事者のプライド」と語ります。「月に数回、朝礼の後の『民医連新聞』や『いつでも元気』、『しんぶん赤旗日曜版』を使った学習会や、人権cafeや評議員会方針、総会運動方針の読み合わせも職員育成にもつながっている」とも。「この夏の参議院選挙に向け、憲法改悪を許さない運動をひきつづき、重視していく」と抱負を語りました。

(民医連新聞 第1753号 2022年2月7日)

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