声明・見解

2022年3月2日

【抗議声明2022.03.02】安倍元首相らによる「非核三原則」の否定につながる発言に強く抗議する

2022年3月2日
全日本民医連
会長 増田 剛

 安倍元首相は2月 27 日報道番組で NATO(北大西洋条約機構)加盟国の一部が米国と核共有しているとし、日本においても世界の安全がどのように守られているかという現実について議論していくことをタブー視してはならないと述べた。また、自民党福田達夫総務会長も3月 1 日記者会見で核共有政策に関し「国民や国家を守るのであれば、どんな議論も避けてはいけない」と表明。自民党高市早苗政調会長は会見で非核三原則のうち核兵器を持ち込ませずとの原則に関して「国民の安全が危機的状況になった時に限り、例外をつくるかどうかの議論は封じ込めるべきではない」と述べた。

 唯一の被爆国である我が国は非核三原則(核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず)を国是としてきた。安倍元首相、自民党幹部の発言はこの戦後の歴史を否定するものである。

 こころもからだも酷く傷つけられたあの日から、広島・長崎の被ばく者は懸命に生きてきた。そして、人間らしく亡くなることが許されなかった人々の無念を背負い、再び被ばく者をつくるなと声を上げてきた。この声が世界に届き、昨年 1 月にやっと核兵器禁止条約が発効し、核兵器は国際法で全面的に違法とされた今、唯一の被爆国日本の国会議員がこのような発言をすることは、国際的にも許されることではなく、この条約への参加を求める多数の国民世論への挑戦ともいえる暴挙である。

 核兵器をなくし、平和と環境をまもることを綱領に掲げ、被ばく者の方々と共に歩んできた民医連は、安倍元首相、自民党幹部のこれらの発言を断じて許すことはできず、抗議するものである。

以上

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