民医連新聞

2022年4月5日

診察室から 多職種とつくる地域に根ざした歯科

 川崎市川崎区にある当院はユニット8台、往診車2台があり、常勤歯科医師4人、常勤歯科衛生士5人などで診療を行っています。コロナ禍でも外来診療は予約が2~3週間先。なかなか予約が取れず、ご迷惑をかけている現状です。そんななか、昨年10月より嚥下(えんげ)内視鏡検査(VE)を始めることができました。同一法人の川崎協同病院と介護老人保健施設(老健)、在宅往診で行っています。
 老健では施設の入所者全員を対象に歯科が介入。虫歯や歯周病の治療、義歯作製はもちろん、口腔衛生管理加算などを算定できる体制です。VEの実施で経口移行加算を算定したりと、互いの経営にプラスになるようにしています。まだまだ手探りで結果に結びついているかはわかりません。
 VEは30件ほど行いました。コロナ禍のため、外来でのVEは行っていませんが、今後は外来でも行いたいと考えています。
 また、老健が栄養ケアステーションの立ち上げをめざしており、そのノウハウを吸収できたらと考えています。今まで歯科は主に歯科医師と歯科衛生士で構成されていて、他職種はほとんどおらず、歯科医院内での仕事が大部分でした。しかし数年後には、当院も栄養ケアステーションを立ち上げます。歯科医師や歯科衛生士が、歯科治療からの歯の器質的状態の改善と、オーラルフレイルなどの予防、発見のための口腔機能検査を行うことで、口腔機能の低下予防や改善をめざしています。
 栄養ケアステーション設立後にはさらにプラスし、管理栄養士と食生活や栄養バランスを考えて、レシピの提案や料理教室の開催、言語聴覚士と健口体操を行うなど、地域に根ざした裾野のひろい歯科医院経営をめざしたいと考えています。どこまで実現できるか、夢は大きく持っています。
 外来診療が手狭になっているため、拡大移転も検討しています。
 いろいろと大変な状況だと思いますが、みんなで力を合わせてコロナ禍を乗り越えましょう!(松永哲(さとる)、神奈川・生協歯科クリニック)

(民医連新聞 第1757号 2022年4月4日)

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