民医連新聞

2022年5月6日

民医連奨学生に聞く! 病気以外の不安にも寄り添うなんでも話せる薬剤師に 兵庫民医連 西岡千晃さん(6年生)

 なぜ民医連奨学生になったのかー。全国の薬学奨学生に聞く第6回は、兵庫で学ぶ西岡千晃さんです。(稲原真一記者)

 「患者さんのことを第一に考えているのが、民医連の好きなところです」と話す西岡さんは、薬科大学に通う6年生。
 薬剤師をめざすようになったきっかけは、中学生の時の職業体験でした。薬局の薬剤師の雰囲気やコミュニケーションを見て、自分に向いていると感じたそうです。高校生の時には、さらに思いを強くする出来事がありました。部活でケガをして落ち込んでいるとき、部活ができなくなることへの不安を気にかけ、寄り添ってくれる薬剤師と出会いました。「すごく心強くて、私もこんな薬剤師になりたいと思った」とふり返ります。
 民医連との出会いは高校2年生のときの薬剤師体験でした。奨学金制度の案内も受け、地元で就職できることや、学生時代からの知り合いと働ける安心感、親のすすめなどもあって奨学生になることを決意しました。

■成長を実感できる活動

 奨学生活動で一番印象に残っているのは、1年生の時に参加した新入生向けのワークショップです。多職種の学生や先輩も参加して、実際の症例をもとに患者のために何ができるか、グループで討論しました。講演や他の参加者の発言から、自分にはなかった発想や病気以外の家族背景、経済状況なども考える重要性に気づきました。「一人では気づけないことも多く、チーム医療の必要性も実感した」と言います。
 毎年、兵庫民医連の学術運動交流集会(学運交)にも参加しています。1年生の時には知識が足りず、内容の多くを理解できませんでした。しかし、学年が上がるにつれてわかることも増え、成長を実感しています。今年の学運交はオンライン開催で、事前に配信された動画で演題を視聴。学校では教われない実践的な服薬指導や、患者のQOLを考えた看護実践が印象に残りました。「薬剤師には看護師ほどの患者との深いかかわりは難しいと思っていたが、“患者のため”という視点で、薬剤師からできる発信をしたいと思った」と刺激を受けています。
 毎月送られてくる『いつでも元気』にも目を通していて、その中で特集されていた無料低額診療事業には、「お金で受診を諦めている人に手を差し伸べる制度で、患者さんを第一に考えているのが良いと思った」と共感しています。

■患者背景に目を向け

 将来の薬剤師像を訪ねると「患者さんとなんでも気さくに話せる薬剤師」との返答が。自身の経験からも、病気以外の問題や不安に目を向けられるようになりたいという西岡さん。そのためには、日常や家族の困りごとまで、患者になんでも話してもらえることが目標だと言います。
 現在は月に数日ですが、民医連の薬局で事務のアルバイトをしています。そこで働く先輩薬剤師を見て、「患者さん一人ひとりの生活や家族のことまで把握していて、楽しそうに話している。信頼関係が伝わってきてすごい」と将来の自分を重ねています。
 来年には入職を迎える西岡さん。「新入職員や学生時代に仲良くなった奨学生との交流が、いまから楽しみ」と明るく話します。

(民医連新聞 第1759号 2022年5月2日)

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