声明・見解

2022年5月27日

【声明2022.05.26】生活保護基準引き下げ違憲訴訟熊本地裁判決を支持し、制度を直ちに改善することを求めます

2022年5月26日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛

 熊本地方裁判所(中辻雄一朗裁判長)は5月25日、「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」で、「厚生労働省の判断は裁量権の逸脱または乱用で、生活保護法に反する」として処分を取り消す原告勝訴の判決を言い渡しました。

 これは、2013年10月から2015年にかけて、厚生労働省が実施した生活保護減額は、生存権を保障する憲法に違反するとして、熊本県内の生活保護利用者36人が、引下げ処分の取り消しなどを求めたものです。

 生活保護減額は、生存権を保障した憲法25条に反するとしてたたかった「大阪地裁」に次ぐ地裁段階での歴史的な勝訴判決であり、この間の地裁不当判決を乗り越えた画期的な判決です。全国29都道府県の1000人近い原告がたたかっている「生存権裁判」に、大きな影響を与えるものです。

 熊本地裁判決では、大阪地裁の「デフレ調整に対して統計上の客観的な数値等との合理的関係性や専門的知見との整合性を欠く」としたのに加え、「ゆがみ調整」についても厚生労働大臣の判断過程や手続きに「専門的知見に基づく適切な分析や検討を怠り、過誤、欠落がある」と、さらに一歩踏み込んだ指摘をした判決でした。

 私たちは、「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」における熊本地方裁判所の判決を支持すると共に、国に対し控訴を断念し、速やかに保護基準をもとに戻すことを強く求めます。
 さらに、最低生活基準の底上げをはかり、憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を守るよう厚生労働大臣に求め、引き続き広範な人々とともに、たたかいを進める決意です。

以上

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