民医連新聞

2022年8月16日

憲法カフェ ぷち⑩ 自民党改憲4項目の真の目的

 憲法カフェぷちでは、これまでに自民党改憲4項目の問題点について指摘してきました。しかし、自民党の最終的な目標は改憲4項目ではないことは忘れてはなりません。自民党は2012年に改憲草案を公開しました。内容としては、現在の改憲4項目よりも相当に過激かつ人権軽視なものです。その後、さまざまな批判を受けて、草案の実現がその時点では難しいと判断した自民党は、新たに改憲4項目を打ち出しました。つまり、もともとの改憲草案に書いてある内容こそが、自民党の最終目標なのです。
 さて、改憲4項目が実現してしまえば、憲法は変わるもの・変えられるものだという前例ができ、以後の改憲は、格段に国民の心理的抵抗が少なくなるでしょう。改憲草案の実現への大きな前進、これこそが自民党のねらうところです。このように、最初に本命でない小さい要求を飲ませることで、より大きな要求も飲ませやすくなることは「foot in the door」という、訪問販売員や宗教の勧誘員などが使用する心理テクニックです。
 従って改憲の是非については改憲4項目の内容だけでなく、裏に隠されている「ホンネ」も意識して議論すべきです。
 次回からは、自民党の「ホンネ」である自民党改憲草案の問題点を掘り下げていきます。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1766号 2022年8月15日)

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