声明・見解

2006年7月2日

【声明2006.07.02】そして病院から医師がいなくなる… ~まともな医療と私たち医師の未来のため日本の医師を増やす運動を呼びかけます~

 「今年の目標は、精も根も尽き果てるような働き方をせずとも安全な医療が提供できること」
 これはある民間病院の女性医師が上司にあてた年賀状の一節です。

 日々、私たち民医連の病院で診療活動をしているみなさん。
 今、日本の病院から医師が消えています。地域から産婦人科、小児科などの医師が減っています。日本の勤務医は36時間働き続けたり、当直明けのまま手術 に入ったりということが常態化しています。
 みなさんも、眠い頭で処方を間違えそうになったりしたことはないでしょうか?
 研修医が相談したいときに指導医がいなかったり、逆に指導の時間がとれず悩んでいる指導医もいます。
 中堅医師は朝から晩まで外来や検査・手術に追われ、病棟に顔を出す時間が取れず、消灯後の病室前でため息をつくのです。

 このままでは働きすぎて倒れてしまうと思ったことはありませんか?

 OECD平均(対人口比)の65%しかいない日本の医師は、3.5倍の外来患者を診ています。一方で日本の医療費はGDP比では先進7カ国で最低ランク です。これは、どう考えてもおかしい状況です。世界一と言われる日本の医療は病院勤務医の自己犠牲の上に成り立っているのです。私たちは、誰も犠牲にした くないし犠牲になりたくありません。

 絶対的医師不足を解消し、病院勤務医を増やす以外に、この状況は打開できません。
 医師委員長会議に集った私たちは、日本の医療崩壊を食い止め、医師を増やすためのドクターウェーブ(仮称)実行委員会立ち上げをここに呼びかけます。み んなができることからやってみませんか?

運動方針(案)
○ 病院勤務医の実態を把握するためのアンケート調査を行います。
○ 病院勤務医・医療団体との懇談を行います。
○ 運動のネーミングを募集します(ex.抗議する医師団、スタンドアップ・ドクター、医師ふやしてねっと…)
○ 賛同者、参加者、呼びかけ人などを民医連内外で募集します。
○ HPを立ち上げて幅広く呼びかけていきます。
○ 運動の主体者となるべく学習材料を提供し推進していきます。
○ 宣伝物(ポスター、リーフ、DVDなど)を作成し視覚的にも訴えかけます。
○ メディア(地方紙・地方TV局など)へ積極的に発信していきます。

2006年7月2日
医師委員長会議ドクターウェーブ(仮称)アピール起草委員会

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