Dr.小池の世直し奮戦記

2007年8月1日

Dr.小池の国会奮戦記 「消えた年金」は一日も早く解決を どさくさに社保庁解体は最悪の責任逃れだ

 3年前、自公政権は「100年安心」といって年金保険料はひたすら上がり、給付はどんどん下がるという年金大改悪を押しつけ、さらに年金を口実に大増税を強行しました。
 年金控除、老年者控除の見直しによる年金への課税を強化、定率減税の縮小廃止。いい出したのは公明党です。その結果、昨年に続き今年も住民税が大幅値上げしています。
 公明党は「この増税分を全部年金に回せば、5年間で、基礎年金に対する国庫負担は今の3分の1から2分の1まで上げることができる」といっていたのです が、この間、2兆8400億円の増税をしながら、年金に回ったのは5100億円に過ぎない。一方で、大企業には大減税です。

年金記録をすぐ発送せよ

 さらに「消えた年金」の問題。
 97年に基礎年金番号が導入され一人一番号になったとき、本来なら加入者に年金記録を送って、「落ちはありませんか。統合できなければもらえるべき年金 がもらえなくなります」という大宣伝をすべきでした。一人がいくつもの年金番号を持っていてかき集めるのが大変だ、すでにわからなくなっているものもあ る、という認識で導入したのですから。
 ところが導入時の案内書では「手続きの必要はありません」と国民を門前払いしてしまいました。そして10年間放置して、その結果5000万件以上が宙に 浮くということになった。歴代厚生労働大臣の責任は非常に重いものがあります。
 国が緊急にやるべきことは、年金保険料の納付記録を、ただちにすべての受給者と加入者、約1億人に送ること。これは事務的な手続きとして、ごくごく当たり前のことです。
 政府は5000万件の突き合わせをしてから送るというのですが、それでは早くても来年の夏以降になってしまう。あまりに遅すぎます。

社保庁解体で流用は恒久化

 大事なことは「一人も被害者を残さず」「一刻も早く」解決すること。
 この解決のめども示さないまま、社会保険庁を解体、分割民営化するというのは、最悪の責任逃れです。
もちろん社会保険庁の改革は必要です。天下りの問題、保険料の流用の問題。徹底的な改革が必要です。
 ところが今回の改革では、保険料を年金相談、年金教育、年金広報に充当できるとなっている。保険料の流用を恒久化するという内容です。
 しかも保険料の取り立てには熱心で、年金保険料を払わない人から、国民健康保険の保険証を取り上げるということまで盛りこんである。

最低加入期間25年を10年に

 いまやるべき年金改革は、25年間も払い続けなければ年金が出ないという「最低加 入期間」をせめて10年に短縮すること。そして最低保障年金をつくって誰もが一定額以上の年金を受け取れるようにすること。その上に、払った保険料に応じ た上乗せをする。現在160兆円もの積立金があるのですから、これを計画的に取り崩せば、高齢化社会のピーク時まで、十分対応できます。
 財界本位の政治から、国民が主人公の政治に。がんばりましょう。

いつでも元気 2007.8 No.190

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