いつでも元気

2007年9月1日

9月末までに5万5000部めざして ただいまキャンペーン中! フォトジャーナリストが語る 『いつでも元気』の魅力

科学の姿勢を貫く数少ない雑誌
うれしかったドクちゃんの結婚
だが30例超す結合体双生児が…
中村梧郎さん

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ドクさん夫妻と中村さん

  体がつながって生まれたベトちゃんとドクちゃん。分離にも成功し、昨年末にはドクちゃんが結婚した。もうおとななんだから「ドクさん」だよともいわれる が、赤ん坊の頃からつき合ってきた私は、今でもドクちゃんと呼んでしまう。そのドクちゃんの婚礼に、私も招かれた。日本のテレビ各局も取材に来て、おめで とう一色の報道となった。
 ほんとうに嬉しいできごとであった。
 だが、その二週ほど前に、ベトナムではまた結合体双生児が誕生していた。結婚を祝うだけでなく、ベトナムは未だに苦しみを抱えている、という視点がここ では必要であった。胸で結合した新生児と母親を取材して、私は『いつでも元気』(3月号)に写真ルポルタージュを掲載した。実は、他誌にも話を持ちかけた のだが、「せっかくの『結婚祝い』に水をさす企画だ」と断られていたのであった。
 双生児の癒合は枯葉剤との因果関係が証明されない、と否定的見解を叫ぶ人は今でもいる。だが、二〇〇〇万分娩に一例ほどの確率で生まれるという結合体双 生児が、ベトナムではこの二五年間に三〇例を超す。年に一五〇万ほどの分娩があるベトナムで、この差は疫学的に見ても極めて巨大である。この四月にもまた 新たな誕生があった。
 こうした事実を事実として報道するメディアが少ない中で『いつでも元気』は、まさに科学の姿勢を貫く数少ない月刊誌のひとつなのである。
 枯葉作戦の悲劇も原爆投下も、久間発言のように「しょうがなかった」ですませてはならない。日本はかつて、アメリカのベトナム戦争に基地や装備を提供し て、積極的な協力加担をおこなった。憲法九条が改悪されたなら、今度は日本軍の派兵であり、米軍との共同作戦で殺戮を開始することとなる。
 日本が漫然と加害国へと変身するのを止めるためにも、ベトナム戦争を真摯にふりかえることが大切だと思っている。

■8月18日~24日、東京芸術座アトリエで、中村梧郎さん原作の『母は枯葉剤を浴びた』(構成・井上鉄夫、演出・稲垣純)が上演されます。問い合わせは東京芸術座 03(3997)4341。

まさに「奇跡」ともいってよい
イラクの子どもたちの実情伝え
劣化ウラン弾の危険性いち早く
森住 卓さん

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イラクの子どもたちと森住さん

  時代の急速な転換期。情報を支配するのは庶民ではなく、利潤追求のため手段を選ばない大企業とその手先となった政治家たちだ。彼らが選別した情報が溢れ、 庶民の判断力をマヒさせてゆく。本来ジャーナリズムとは反権力であり、「社会の木鐸」が使命だが、その意味で「ジャーナリズム」はもはや死語に近い。
 『いつでも元気』は彼らが排除する情報を、市民・弱者の立場に立って提供してきた貴重なメディアである。
 毎月発行されるこの雑誌が医療関係の情報のみならず、世界で起こっている、知らされていない情報を提供していることはまさに「奇跡」ともいってよい。 「エッ、こんな話題も取り上げているの?」ジャーナリスト仲間の集まりで『元気』を紹介すると、歴戦の猛者が驚く。
 私は一九九八年以降、湾岸戦争で初めて使われた劣化ウラン弾の影響や、国連の経済制裁による市民生活への影響をイラクで取材し続けてきた。劣化ウランが 人体に与える影響について専門家の間では両論あり、一般にはほとんど知られていない時期だった。
 だがイラクの子どもたちが次々と亡くなっていく状況は、劣化ウランとの関係あるなしにかかわらず、伝えねばならない事実だった。何とか伝えたいとさまざまなメディアの門を叩いた。
 しかし当時メディアは「サダム・フセインのイラクで起こっていること」として無視し続け、米英の戦争準備を正当化する宣伝機関と化していた。そんななか で、イラクの実情を取り上げてくれた雑誌の一つが『元気』だった。
 二〇〇三年、イラクへの侵略戦争が始まると、大手メディアはバグダッドから撤退し、こぞってアメリカ軍従軍記事を書き立てた。侵略された側、爆撃された 側、爆弾の落とされた側からの報道は、バグダッドに踏みとどまった私たちフリージャーナリストが担うこととなった。このときも、バグダッドからのリポート を取り上げてくれた。
 平和と民主主義を守る報道姿勢は一貫している。いまや『いつでも元気』は、医療関係者、患者だけでなく、国民の健康と平和を守るために欠かせない雑誌に なっているのだと思う。日本のジャーナリズム界に、大いに活を入れてほしい。

7月号の読者カードから

『元気』はすばらしい雑誌。「看護改善大運動」の記事で「患者会の一泊旅行で、結婚50年にして初めて旅行に来られた」というエピソードに涙があふれた。ぼた落ちだった。毎月、この『いつでも元気』を待っている。安価でムダなく全ページを読むことができる。
栃木・須賀牧恵(60)

私は今回初めて『いつでも元気』という本を知り、読者になりました。看護改善大運動で100万筆突破の記事、心から感動しました。やればやるほど楽しい…皆さんが一丸となってとりくみをされた喜びに頭が下がります。 島根・鈩陽子(67)

『元気』で旅先を選んでいます。「ぶらり探訪」で西表島のサガリバナを見て、来年は行くぞと決め、6月末に行ってきました。カヌーで川を上っていくと甘い香りが漂い、そのうちに花が…。きれい。最高でした。
山梨・加賀美珠美(49)

「ほっと介護」を毎回、楽しみにしています。今回の「コミュニケーションの基本」で書いてあった「本人の意思を確認すること」に共感しました。ついつい周りの家族やスタッフに振り回され、本人不在の支援になっていないか、反省しました。
北海道・野村昭典(33)

「特集2」の「うつ病は治る病気」はとても参考になりました。いま、職場復帰プログラムを考えています。人によって、病状や条件が違うので、なかなかむずかしいです。
岡山・遠矢ゆみ(40)

「イラ クでいま」の反米デモの写真を見て、はっとしました。横断幕に書かれた、どう見てもたどたどしい、間違ったスペリングの英語。しかし、侵略者アメリカよ、 イラクから出ていけ、という思いはしっかり伝わりました。コミュニケーションの原点を見る思いで、胸が熱くなりました。
千葉・酒井健一(75)

「楽園を蝕む放射能汚染」。とてもかわいらしい子どもや美しい景色から始まっていたので「うわぁ…キレイ」と思って次のページをめくると、さまざまな難病と戦っている現地の人々の写真が。小さい子どもからお年寄りまでいた。とてもかわいそうに思った。
兵庫・古田陽子(20)

いつでも元気 2007.9 No.191

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