民医連新聞

2023年5月23日

憲法カフェ㉕ ぷち 自分たちの利益を守るための憲法改正? ②

 前回にひきつづき「大規模災害の際には、国会議員の任期を延ばして選挙も延期しよう」という改憲案のお話です。
 そもそも、国会議員はなぜ必要なのでしょうか? 主権者である国民の意思を政治に反映させると同時に、政府(内閣)が暴走しないように監視するためです。それなら、大規模災害後の復興の方針を決めるために、むしろ選挙を実施すべきですよね。最新の技術を用いて、いかなる場合でも選挙を実施できるように、制度や投票の仕組みを改正することこそ急務です。
 どうしても投票ができない状況があるなら、繰延投票(一部の地域だけ、後日の投票とする仕組み)という制度があり、災害時に行われています。制度の工夫で、国民の選挙権を守ることは可能です。
 内閣の監視という観点から言えば、臨時国会の召集要求があっても内閣が無視したり、多数の法律をまとめて審議にかけ、詳細な検討をしないなど、いまの国会審議のあり方の改革の方が急務でしょう。
 憲法改正は、時間もお金も労力も、多大に消費する大きなイベントです。ほぼありえない場面を想定して、国会議員の既得権益を守ろうとするのではなく、いますぐできる対応や改革を議論してほしいと思います。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1783号 2023年5月22日)

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