いつでも元気

2023年7月31日

青の森 緑の海

2014年夏 本部町

 夏の沖縄の海は美しい。浅い海底の白砂に光が反射し、このエメラルドブルーをつくる。
 「ウミアッチャー(海を歩く人)」という言葉がある。サンゴ礁のある島ならではの言葉かもしれない。島のまわりの海底で育ったサンゴは、水面に達するとそれ以上は伸びることができず、世代交代を重ねながら沖に広がっていく。結果として、数千年から数万年後には周囲を取り囲むサンゴ礁が形成される。
 写真は追い込み漁の風景。世界各地で行われる漁法で、沖縄ではサンゴ礁湖(リーフ。沖縄の呼び名でイノーという)の地形を巧みに活かして魚を追いこむ。専門の漁師はスキューバダイビングのタンクを背負って十数名のチームで行う一方、海沿いの集落では少人数で、日々の食料として魚をとってきた。
 人々と島との間に見える茶色い部分はリーフエッジと呼ばれ、干潮時には海好きな人々が歩く道となる。山里の住人が裏山に入ってキノコや山菜をとる感覚に近いだろうか。サンゴ礁の一番沖側なので、波が砕け、酸素が豊富なため、いろいろな生きものの活動が盛んな場所でもある。
 浅い海があるのはサンゴのおかげ。海の幸が尽きないのはサンゴのおかげ。台風の波が直接集落を襲わないのもサンゴのおかげ。けれど台風が来ないと水温が上がり、サンゴは衰弱してしまう。沖縄の海の美しさは、自然の見事なバランスの上に保たれている。


今泉真也写真展
ヒルギ~極限の森、マングローブ~

日程 8月31日(木)~9月11日(月)
午前10時から午後6時
(最終日は午後3時まで、9月5、6日休館)
筆者在廊 9月2日 正午~午後6時 
     9月3日 午前10時~午後5時
入場無料、写真点数:15点
会場 OMシステムプラザ・クリエイティブウォール
(☎03・5909・0190)
東京都新宿区西新宿 1-24-1 エステック情報ビル地下1階
JR新宿駅西口徒歩5分

いつでも元気 2023.8 No.381

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ