【声明2005.11.22】自民党「新憲法草案」に抗議し、改憲のたくらみを許さない声明

自民党「新憲法草案」に抗議し、改憲のたくらみを許さない声明

　本日、自民党は結党５０周年党大会を開き、「新憲法草案」（以下「草案」）を決定し発表しました。その内 容は、憲法を全面的に書き換え、現在の憲法の「恒久平和主義」「人権尊重」「国民主権」の原理を投げ捨てる憲法改悪案です。これは平和を願う国民はもとよ り、アジアと世界の人々への許しがたい挑戦であり、満身の怒りをこめて抗議します。

　草案は、憲法前文を全面的に書き換え「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」という言葉を完全に削除し、さらに９条の第２項 を完全に削除して「自衛軍」を持つことを明記しました。これは単に自衛隊の現状を追認するものでなく、自衛隊の海外での武力行使に対する歯止めを取り払 い、自衛隊を「戦争のできる軍隊」に変質させ、アメリカの無法な戦争に日本が公然と参加することをねらうものです。

　同時に草案は、「国防の責務」や「愛国心」を盛り込み、国民の権利および自由を「公益及び公の秩序に反しない」ものとして、生存権を含む国民の人権を大 きく制限するものとなっています。これらは、個人の自由や権利を守るためにある憲法の本質を変質させ、逆に国民を抑圧する道具につくりかえるものにほかな りません。このことは、戦争するために国民の人権を大きく制限し、国民を戦争に強制的に協力させるというものです。さらに草案は、現憲法９６条に定めた改 憲発議に必要な三分の二の賛成を二分の一に改め、「新憲法」それ自体の改正要件を緩和し、さらなる改悪を容易にする仕組みも盛り込んでいます。

　私たち医療人は何よりも命を大切にし、守ることを使命としています。したがって、健康といのちを破壊する最大の要因である一切の戦争に反対していきま す。平和の最大の保障となる「憲法９条」を守り生かすため、「九条の会」に結集した人々をはじめ、平和を願う広範な国民とともに力を合わせてたたかうこと を表明します。