民医連新聞

2004年2月16日

青年が宣言「憲法うけつぐ」 -日本平和大会- 沖縄

 1月29日から2月1日、沖縄で「日本平和大会」が開かれ、平和を求める国内外の人びと1700人が集ま りました。開・閉会総会などでは、民医連の青年職員も力強く平和の思いをアピールしました。またイラクから来た医師、アル・アリさんが特別報告しました。 (荒井正和記者)

 平和大会の参加者の三分の一は青年。民医連で働く青年職員二人が、閉会総会で、平和を、憲法を守る決意をのべました。
 福岡・千鳥橋病院の田村嘉織さんは、「『動く分科会』で私たちは、新基地が着工されると埋めたてられてしまう辺野古の海にカヌーを漕ぎ出しました。現地 の人と話し合い、こんなきれいな海を破壊させてはならない、戦争に使わせてはならないと思いました。この気持を福岡に持ち帰り、仲間と語り合い、今後の平 和活動に生かしたいと決意をあらたにしています。看護師として、また一人の人間としても命を脅かす戦争には絶対反対です」と発言。
 続けて、岡山民医連事務局の池橋陽子さんが「私が一番力を入れたいのは憲法を守ることです。いま、まわりの人たちとサークルを作って、憲法を学んでいま す。私たちの世代はみな憲法を守りたいと思っています。憲法改悪の動きを逆にチャンスにして憲法について学び、憲法を自分たちのものにしたい。私たちは憲 法を受け継いでいく世代です」とのべ、会場から大きな拍手を受けました。
 イラクから参加し、特別報告したのは、バスラ教育病院ガンセンターの所長、ジャワード・アル・アリ医師です。「私は、イラク人を犠牲にした戦争の真実を伝えるために来ました」と、劣化ウラン弾の被害について話し、米軍を告発しました。
 大会はこれらを受け、行動提起で、まやかしの「人道支援」の名による自衛隊派兵でなく、文字通りイラク国民の立場に立った、日本の国民サイドから「真の 人道支援」をすすめようと訴え。参加者は「イラク派兵反対、基地撤去、日米軍事同盟打破の大きい運動をつくろう」と決意を固め合いました。次回の開催地は 長崎県佐世保です。


特別報告 薬も器材も足りない
イラクの医師 ジャワード・アル・アリさん

  一九九一年の湾岸戦争で、民間施設も攻撃され、インフラが完全に破壊され、電気も、飲み水もない状態になりま した。その後の経済制裁が行われた一二年間、医療器具が不足し、病院は患者の命を救うすべを失っています。食料や薬の不足により五〇〇万人以上の子どもた ちが死亡しました。
 湾岸戦争で、米軍は推定八〇〇トンの劣化ウラン弾を使用しました。その上、今度のイラク攻撃で使用した劣化ウラン弾は、二〇〇〇トン以上と推定されてい ます。私の町、バスラの西部では、放射線量が通常の一〇〇~五〇〇〇倍に上昇しています。地域住民のガンの発症率は湾岸戦争前に比べ一〇倍に、死亡率は一 九倍にふくれあがりました。
 奇形児の出生率も上昇しています。湾岸戦争以降、とても奇妙なガンの発症が見られます。一人の患者に何種類ものガンが発症したり、ひとつの家族の中で、何人も同時期にガンにかかるのです。
 何よりも私が一番、専門家として心を痛めているのが医療です。薬が全く足りません。点滴の器具、輸血セット、そのほか検査をする器材も不足しています。
 日本のみなさん、こうしたイラクの国民が本当に必要としているものをぜひ送ってください。

(民医連新聞 第1326号 2004年2月16日)

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